第拾弐夜『福太郎の不思議な日常』

ー校舎内:女子トイレ(個室内)ー

伊佐美「たぁぁぁすけてぇぇぇ!」

天海「どうしたー!」

伊佐美「しゃちょーーー!何かいる!隣に何かいるゥッーー!しかも、ドアが開かない!助けて!」
ドンドンッ!

天海「むむっ」

伊佐美「むむっじゃない!助けてドアあかないの!」
ドンドンッ!

天海「助けに行きたいのはやまやまだが……女子トイレに入るわけにはいかない!」

伊佐美「怖いだけでしょ!絶対怖いだけだ!!」

天海「そうではない。怖くはない、むしろ行きたいぐらいだ、行きたいくらいだが……女子トイレはダメだ。」

伊佐美「福太郎さん!福太郎さん一緒ですよね!」

福太郎「おるよー」

伊佐美「助けてくださいぃー!」

天海「いや、福太郎さんも男だ。女子トイレはマズい……小宮先生お願いできますか」

小宮「ええっ、怖い……」

伊佐美「最低やぞ!最低やぞ社長!」

小宮「だ、大丈夫ですか?」
ガチャ
伊佐美「ああっ、助かりました!」

天海「ついでに、隣になにがいるのか確認してくれー」

伊佐美「ええっー!」

天海「落ち武者の可能性もある!」

福太郎「女子トイレに出る落ち武者とか嫌やな……」

伊佐美「もー……あ、開けますよ」

小宮「は、はい」

ガチャ!

白色で膨れたもの『!!』

某おばQと梨の妖精をたして二で割ったようなナニカがいた。

伊佐美「……」

小宮「……」

とりあえず、ドアを閉めた。

伊佐美「……えーと?」

何かの見間違いかと思ってもう一度ドアを開けてみる。

黄色で膨れたもの『……』
バタバタ、バタバタ

なにかよく分からないものはバタバタと手を振ってアピールしている。

見間違いではなかったようだが扉をしめた。

天海「どうしたー?」

福太郎「なんかおったー?」

伊佐美「何か……なんだろう?」


~~


ー校舎外:校庭ー

ラム「……中に戻るわよ」

お仙『えっ、きたばっかりなの二?』

ラム「なんの妖気も感じない。外にはいないわ」

お仙『そーなのカー』

ラム「アンタだってわかるでしょ。っていうか、今悲鳴みたいなの聞こえなかった?」

お仙『聞こえタ』

ラム「なら、もっと反応しなさいよ!」

クロ「おーい」

ラム「あっ、そっちはどうだったの?」

クロ「落ち武者はいなかった」

六角「ダメだったよー」

クロ「というか、今……」

ラム「ええ、中に戻りましょう」
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