第拾弐夜『福太郎の不思議な日常』

ー校舎外:体育館ー

六角「おーちむしゃさーん!」

クロ「探すってそういう探し方かよ」

六角「落ち武者さーん、いませんかー!」

真っ白い子供『……』
トタタッ

クロ「アンタさ、幽霊見えるんだよな?」

六角「見えるときはね。あ、バスケットボールだ。」

顔がない女『……』
ぞぉっ

クロ「……全然見えてないだろ。っていうか、落ち武者以外も結構いるじゃねぇか」

六角「シュート!」
ポイっ、スカッ…
顔がない女『……』

六角「おーちむしゃさーん!居たら出てきてくださーい!シュート!」
ポイっ、スカッ……
顔のない女『……』

クロ「おい、後ろ」

六角「ん?」
バッ
顔のない女『……』
スゥ

六角「あれ、なんか……気のせいか」

顔のない女『……』
スゥッ
六角「ん?」

クロ「いや、今見えてたよな?」

六角「いや、なんか居たようないないような……」

おっさん振り返る、幽霊消える、振り返る、消える、振り返る、消える……とコントみたいなことをし続けるのを見てクロは頭を抱えた。


~~


ー校舎内:別棟ー

伊佐美は懐中電灯で暗い廊下を歩きながらトイレの前で止まっていたる

ヤバい。なんでこんな時にトイレに行きたくなるっと…………。入るのはヤバい気がする。しかし、入らないともっとヤバいことになる。意を決して女子トイレの中に駆け込んだ。

早く済ませよと個室に入り扉を閉めると…。

ザリッザリッ……。

伊佐美「足音?!だ、だれ……小宮先生ですか!?」

『……』
ザッザッ!ぎぃっ!バタン!

ナニカが隣に入って、慌てて出ようとしたがトイレのドアはなぜかあかなくなっている。それどころか、ドンドン!ガンガン!っと隣でナニかが暴れている。

伊佐美「きぃぃやぁぁぁぁーーーーー……しゃちょーーーー!たぁーーーーすけてぇぇぇぇぇぇっーーーー!」


~~


ー校舎内:廊下ー

天海「やいやいやい、やーい、落ち武者よー。でできて話をしようやないかー」

福太郎「でてこんなー」

小宮「ですね……。でも、急に出てこられても怖いですけど……」

天海「大丈夫です。俺が……」

『たぁーーーーすけてぇぇぇぇぇぇっーーーー!」』

天海「きゅぅ……」

福太郎「出てない。しっかり、悲鳴だけやから」

天海「はっ?!」

小宮「今の声、伊佐美さんじゃ!」

福太郎「みたいやね。行ってみましょ」
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