第拾弐夜『福太郎の不思議な日常』

ー校舎内:廊下ー

福太郎「ほんなら、調査行きます?」

天海「せやね」

女の子「えっ、まだ夕方でくらくなってませんよ?」

天海「アホか。お化けは朝でも昼でもおんねん」

六角「怨念とかけたよ」

クロ「あ?」


~~


女の子「怖いっ!学校てこんなにこわいとこでしたっけ!」

天海「やかましい、お化けが怖がって逃げるやろ」

ガシャーン!

女の子「ぎぃやあぁぁっぁ!」

福太郎「うわ、ゴッツイ声……」

天海「やかましい!」

女の子「だってモップが……」

天海「学校あるあるやろ」

ひゅんっ!ゴロロロロッ!

女の子「うぎゃああぁっ!」

天海「やかましいっちゅうねん!」

女の子「だってボールがぁ……」

六角「学校あるあるでしょ!」

女の子「いやいや!いま誰もいないのに真横から飛んできましたよ?!」

天海「風や風」

クロ「いや、風ではないだろ今の勢い」

女の子「絶対なんかいますって!」

天海「せやから居るいうとるやろ。」

女の子「絶対やばいですって、ああもう、やっぱりこんなところまでついてくるんじゃなかった……」

天海「しっかりせい新人!……ていうか、まだ名前聞いてなかったな」

お仙『色々と遅いナ』

福太郎「実は俺もずっときになっててん」

伊佐美「伊佐美です。山岳伊佐美(さんがくいさみ)」

天海「そんな男みたいな名前つけてもろて……たぶん、親御さんもお化けをこわがらんように育つようにつけた名前なんやろ」

伊佐美「多分、その要素はないと思います」

ラム「伊佐美さん、先輩を擁護するわけじゃないけれど小宮先生見たでしょ?女の人だけどひとり残ってたでしょ?」

福太郎「お化けと闘う気でおんねんな」

六角「怨念とかけたよ」

クロ「そろそろアンタを殴っていいかと思ってきた」

天海「俺達が幽霊の事を説得して成仏してもらえんかったら小宮センセは授業始めることができへん、ここの生徒たちも怖がってこれへん。俺たちは人助けのために来とるねん。困ってる人がおるのにええ大人がお化けをこわがっとったらアカンやろ。ええか、ひとが怖がる霊現象に冷静に対処し、それを解決する。わかったな?」

伊佐美「……」

天海「分かったな?」

六角「返事」

伊佐美「はい……。」

天海「プロやったら怖がるな。大丈夫、俺が絶対に守ったるから。」

伊佐美「はい」

天海「行くぞ」

髪を垂らした女「……」

天海「きゅうううぅぅっーーー!」
バタンっ!
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