第拾壱夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

花の女「……」

お仙『成長してル!』

花の女「植物ですから」

クロ「急成長過ぎだろ」

花の女「細かいことはいいじゃないですか。そういう仕様なんですよ。」

クロ「仕様って……」

福太郎「ほんで花のひとが何かご用で?」

花の女「……」

福太郎「……」

花の女「なんの……ご用」

クロ「おい、なんで首をかしげている」

花の女「いえ、私って生まれたばかりなので用とか言われても……」

お仙『生まれたばかりでその肉体ですカ』

クロ「そこはいいんだよ!」

花の少女「でも、時間が経つとしぼみますからね。色々と」

福太郎「んっ、ほんまや縮んだ」

お仙『ほい、水』

花の女「ごくっごくっ」

クロ「戻す必要あったのか……」

お仙『なんとなク』

福太郎「生まれたばかりって最近妖怪になったん?」

花の女「ほんの二日前に」

福太郎「ホンマ最近やな……あれ?」

花の女「気づいたゴクッゴクッようですねゴクッ。」

クロ「飲むか喋るかどっちかにしろ」

花の女「失礼」
シャッ

お仙『頭の花にかけても飲めるんダ』

花の女「全身どこからでも吸えたりします。」

福太郎「そしてもしかせんでも……サボテン?」

花の女「はい、庭に植えられたサボテンです。」

クロ「仙人掌かよ!?」

お仙『サボテン要素ハ?』

花の女「本気出せば針千本とか撃てます」

クロ「やめろ」

福太郎「めっちゃ見たい」

クロ「うぉい!」

福太郎「まぁ、それは屋外で見せてもらうとして……ぶっちゃけどないしたいん?」

花の女「綺麗な水と土が豊かな場所を要求する」

福太郎「んー……」

花の女「難しいですか?」

福太郎「なかなか」

花の女「なら、適度な水と土でいいです」

クロ「一気にランク下がったな」

福太郎「適度な土と水やったら今のままじゃアカンの?」

花の女「……別に今のままでいいですね。」

クロ「……」

花の女「じやあ、ええと……なんだ、肥料とかください」

福太郎「食べるん?」

花の女「はい」

クロ「食うのかよ?!」

花の女「まぁ、ぶっちゃけ水だけでもいいんですけどね。」

お仙『嗜好品?』

花の少女「そういうことです」

クロ「縮んでるぞ」

花の少女「ちなみに「花の幼女」になると喋れません」

福太郎「花の幼女より下は?」

花の少女「枯れます」

クロ「色々とすっ飛ばすな、おい」
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