第拾壱夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

福太郎「まさかの強風と横殴りの雪」

クロ「さ、寒い」

お仙『尻尾で温まろウ!』

クロ「……」
ゲシッ!
お仙『暴力反対!』

メリー「でも、顔は笑顔」

福太郎「アレは一種のプレイやからね。」

クロ「私は認めねぇ!!」

お仙『でも、フクタロ、このままだと寒いのは事実だゾ』

福太郎「せやね。んー、お風呂でもいく?」

クロ「入ってる間はいいかもだけど、出て帰る間に冷めるよな」

福太郎「分かる」

クロ「なら、なぜ勧めた」

福太郎「女性の風呂あがりってエロくない?」

お仙『エロイ』

クロ「黙れ」

福太郎「あとは鍋でもするとか……」

コンコン

お仙『誰か来たゾ』

福太郎「はい?」

幼女「……」

福太郎「おや……」

幼女「……」
ふりふり

福太郎「ん?」

幼女「……」
身振り手振り

福太郎「んー……とりあえず、入る?」

幼女「コクコク」

クロ「どした?」

福太郎「知らん子が訪ねてきた」

幼女「……」

クロ「知らない奴を普通に招くなよ……」

福太郎「あははは」

メリー「笑い事じゃないよ?!私隠れないと!!」

福太郎「んー、多分平気やで。ほら、この子の頭見て」

お仙『花が咲いていル』

クロ「飾り……ではないよな」

福太郎「どうみても生花です。ありがとうございました。」

花の幼女「……」

メリー「ということは妖怪?」

福太郎「幼怪かな」

花の幼女「……」

お仙『お嬢ちゃん、喋れないのカ?』

花の幼女「……」

福太郎「首かしげとるね。」

クロ「こっちの言葉も分かってないんじゃないのか?」

福太郎「どうなんやろかね……」

花の幼女「……」
クィクィッ

クロ「なんかボディランゲージしてるぞ」

福太郎「これは……」

お仙『オレサマオマエマルカジリ』

クロ「ちげーだろ!」

福太郎「何かを飲みたいってランゲージっぽいな。お茶……花やから水のがええかな」

クロ「ほら、水」

花の少女「ゴクッゴクッ」

メリー「わぁ、凄い勢いで飲んでるの」

福太郎「満足?」

花の少女「ありがとうございます」

お仙『キャーシャベッター!』

クロ「いや、そこまで驚くことねぇだろ」

福太郎「喋れたん?」

花の少女「お水をいただいたので、あの、もういっぱいいただけますか?」

福太郎「どうぞ」

花の少女「ゴクッゴクッ」

お仙『飲むねぇ』

花の女「ふぅ。」

福太郎「……あれ?何か成長してない?」
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