第拾壱夜『福太郎の不思議な日常』

ー集合墓地:あやかし屋ー

福太郎「しかし、二月ももう終わりなんやね。」

クロ「早いもんだ」

お仙『ズルルルッ』

メリー「ゆうかりんはやっぱり暖かい方が好き?」

幽香「どうしてかしら」

メリー「色んなお花が咲くし」

幽香「そうねえ。そういう意味でなら夏が一番ね。ヒマワリがたくさん咲くから。」

福太郎「悠も同じこと言うてましたわ」

お仙『ズルルルッ』

幽香「なぜか少しイラッとしたわ」

クロ「気持ちは分かる」

福太郎「四季のフラワーマスターと四季のセクハラマスター」

幽香「ふふっ……殴るわよ?」

福太郎「俺は悪ぅないんです。」

メリー「ご主人様はわるくないわよ!」

お仙『ズルルルッ』

クロ「お前はさっきからうるせぇ!」

お仙『うどんは喉ごシ』

骨女『良い食べっぷりですね。』

お仙『オフコース』

クロ「なんでだよ……」

福太郎「まぁ、ええやないの。」

幽香「お茶のおかわり頂ける?」

骨女『はーい』

小袖の手『……』
とぽぽっ
幽香「ありがとう」

福太郎「小袖ちゃん、ちゃんとやっとるんやね。」

骨女『物静かで働き者ですよ』

お仙『私もバリバリ働くのニ』

骨女『はい。でも、そこまで忙しくはないんですよね。』

福太郎「一時より客足さがったん?」

骨女『そうなんですよね。もちろん、悪いって程ではないんですけど』

福太郎「ふーん」

骨女『やっぱり物珍しさがなくなってきたんでしょうか?』

クロ「でも、この辺りじゃここしか店がないだろ」

幽香「それにメニューを見る限り、時期によって限定のものとかもあるみたいだし」

骨女『ありがとうございます』

福太郎「究極的にはアレやわ。キレッキレのスリットとかミニッミニのスカートとかで給仕したら悠が毎日来ると思うで」

骨女『ああ、まさに究極ですね。』

クロ「それもう茶屋のやることじゃねーから」

福太郎「……そーかな?」

幽香「あら、あなたもそういうの好きなの?」

福太郎「色っぽいねーちゃんやきわどい格好が嫌いな男はいません」

お仙『キュン』

クロ「キュンじゃねぇ!」

骨女『ドキッ』

クロ「テメーは心臓がねぇだろ!!」

メリー「ツッコミがすごい」

幽香「ホントねー」

骨女『しかし、私も元遊女、お色気は抜群ですよ』
チラリ

福太郎「すごく、白くてきれいやなー……骨が」

クロ「骨だわな」

お仙『骨』
84/100ページ
スキ