第拾壱夜『福太郎の不思議な日常』

ー集合墓地:あやかし屋ー

骨女『バレンタインフェスです』

福太郎「いきなりやね」

骨女『明後日はバレンタインですからね』

悠「チョコ食えないおれにはどうでもいいイベント。ただし、リア充はぶっ飛ばす」

絡新婦「なにを言っとるんだコイツは」

恋「無視してくれてよい」

福太郎「これが我がままを突き通すってことやで」

悠「強さの最小単位は我を通すこと」

骨女『では、悠さんはバレンタイン何もいらないという事で』

悠「くれるなら、ください。」

絡新婦「こいつは……」

恋「情けない」

悠「もらえるものをもらって何が悪い!!」

福太郎「ですね」

恋「同意せんでいい!」

悠「ちなみに福ちゃん的にどうよ、バレンタイン」

福太郎「クロたちにくださいってお願いした」

悠「スマートだな」

福太郎「弱さの最小単位はなりふり構わずお願いすること!」

悠「きゅん」

恋「きゃん、じゃねーわい」

悠「ある意味素敵だった」

骨女『福さんは素敵ですよ。』

悠「ひゅーひゅー」

福太郎「照れますわぁ」

絡新婦「なんじゃ、この茶番」

悠「おれも素敵っていわれたい」

福太郎「素敵」

悠「ありがとう。」

恋「なんじゃ、この茶番」

骨女『ジョロちゃんとかぶってますよ』

福太郎「せやけどな、悠」

悠「ん?」

福太郎「何十人というひとから何かしらもらえる悠は、もう少しちゃんといろんな人に敬意を払わなアカンと思うんよ」

悠「アッハイ、スミマセン」

恋「まったくじゃ」

悠「やかましいぞ、ザシキモドキ」

恋「モドキいうな!」

骨女『略してザシキですね』

福太郎「ホンマやね」

恋「やめい!」

悠「まぁ、でも、バレンタインは日曜だし、今年は自分用のものが多いらしいっぽいな」

福太郎「ご褒美チョコってやつやね」

骨女『へぇ、そうなんですか』

恋「恋も自分へのご褒美チョコがほしいのう」

悠「五円チョコかってやるよ」

恋「五円って、コラァ!」

福太郎「チロルチョコよりも下だった」

絡新婦「友チョコだのなんだのまったく……」

悠「閃いた。チョコフォンデュってあるじゃん!あれをメリーちゃんに塗ろう」

福太郎「そのネタはもう済んだよ」

悠「なん……だと?」

恋「変態か己ら……」

悠「人間だれしも変態な部分はある」

福太郎「うん」

骨女『らしいですよ』

絡新婦「しらんわい」
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