第拾壱夜『福太郎の不思議な日常』

ー集合墓地:あやかし屋ー

福太郎「昨日揺光さんにあったで」

悠「マジか」

福太郎「悠のところにもそのうち行くと思うで、夜に」

悠「夜限定?」

福太郎「寝込みを襲われる系」

悠「ああ、把握」

恋「把握ではないわ!」

悠「居たのか?!」

福太郎「一緒に入ってきてましたやん」

悠「マジか、気付かなかったわ」

恋「張り倒してやろうか」

福太郎「悠が張り倒されるところ見てみたい」

悠「道玄のおっさんとかは平然と張り倒してくるぞ」

福太郎「よく生きとるよね。」

悠「こう見えても堂島の龍と呼ばれたいと思ってるからな」

恋「呼ば……え?」

骨女『呼ばれてはないんですね。』

悠「呼ばれてはないです」

福太郎「呼ぼうか?」

悠「んー、まだ早い気がする。」

恋「恥ずかしいからやめい」

悠「どこがだよ。桐生ちゃんだぞ」

恋「知らんわ!」

悠「あんみつください」

骨女『はーい』

福太郎「あんみつ食べに来とるよな」

悠「近場であんみつ食べられるって最高」

恋「恋はもっとスイーツを食べに行きたい」

悠「柿ピーでも食べてなさい」

恋「せめて甘い菓子にせい」

福太郎「甘食とか」

悠「あれは甘いな。シベリア位甘い」

恋「シベリア?」

福太郎「カステラであんこをサンドイッチしたみたいなお菓子」

恋「ああ、あれはシベリアというのか」

悠「寒気団ではないんだよ」

恋「それはわかっとるわ!」

絡新婦「あなんみつお待たせじゃ」

悠「あんみつください」

骨女『はい、あんみつ追加で』

絡新婦「今もってきたばかりじゃろ!!」

福太郎「悠の場合、あんみつ食べるっていうか飲んでない?」

悠「それでもいけるけど、サクランボの種も飲んじゃうからちゃんと噛んでるよ」

骨女『種も消化しそうですけどね』

悠「さすがにそこまでは……ああ、でも昔梅干し丸呑みした時は大丈夫だったな」

恋「何が起こって梅干しを丸呑みした……」

悠「覚えてない」

福太郎「なかなかの衝撃的なことやのに」

悠「いやぁ、金属バットで頭しばかれるとかのが衝撃パないゾ?」

恋「そういうことをしておるから記憶に障害が出とるんじゃないのか」

悠「……そんなことねーし」

福太郎「若干間があった」

悠「たまに記憶が飛ぶことがあるのは確かだからナ」

骨女『パンチドランカーですか?』

悠「まだ大丈夫だ」
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