ｰ福太郎の部屋ｰ

ミハイル「それでどうしたらいい?」

ラム「どうしたらって……立ち入り禁止にしているならそれでいいと思うけど……。しいていえば、もう少し厳重にするとか」

福太郎「そもそも、そんな危ない山を入る人はひと握りなんやろ?」

ミハイル「僕が入る」

クロ「なんでだよ!!」

ミハイル「キノコをとったり、山菜をとったり、妖怪の財宝を盗んだり」

ラム「待て!」

ミハイル「なんだ」

ラム「最後何を言った」

ミハイル「なんだ」

ラム「その前!」

ミハイル「僕が入る」

ラム「わざとやってるでしょ!!」

チコ「妖怪の財宝を盗んだりのところですよ」

ミハイル「ああ」

ラム「そんなことしたら妖怪が怒るでしょ!」

ミハイル「そう。だからどうにかできないかという相談だ」

ラム「そんな相談乗りません!」

ミハイル「なんでだ!」

チコ「そりゃそうです」
クロ「そらそうだ」

福太郎「今までそんな真似したことが?」

ミハイル「まだ、ない。」

チコ「本当に「まだ」なのが怖い……」

ラム「やめなさい。本当に大変な目に合うわよ」

ミハイル「大変な目に合うのが怖くてオゼゼが稼げるかっ!!」

ラム「……」

ミハイル「ふふん!」

チコ「いや、勝ち誇ってますけど、呆れられてるだけですからね」

福太郎「けどまぁ、触らぬ神に祟りなしいうしな」

ミハイル「虎穴いらずんば虎児を得ずともいう」

ラム「とにかく!そんなことはやめなさい!命がいくつあっても足りないわよ!」

福太郎「まぁまぁ」

ミハイル「僕は命よりも金が大好きなんだ!」

福太郎「……下手に妖怪を刺激して貧乏神とかに憑かれたらお金なくなりまっせ?」

ミハイル「やっぱり危険を冒して財宝を奪うのは良くないな」

ラム「この手のひら返しの速さ……」

チコ「よく殿下の扱いが分かりましたね」

福太郎「なんとなくね。」

ミハイル「じゃあ、とりあえず妖怪に襲われた場合の対処法だけ教えてくれ」

ラム「状況によりけりだけど……一番いいのは逃げること」

ミハイル「なるほど、それなら得意だ。コイツを盾にしながら逃げればいいし」

チコ「ぶっ殺しますよ?」

ラム「……あとは退魔系の道具ね。お札とか」

ミハイル「そんなもの本当に効果あるのか?」

ラム「あるものも、ある。」

ミハイル「なんだその曖昧な言い方は。」

ラム「ちゃんとした術者や道士が書いたものは効果があるってこと。」

チコ「そういったものはどうすれば手に入ります?」

福太郎「ここにおるラムさんなら効果のあるお札書けるで」

ミハイル「なら書いてくれ。タダで」

ラム「……いくつほど?」

ミハイル「100枚」

ラム「ふざけるな!」

チコ「すいません、すいません…」