第拾壱夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

ラム「こんばんわ」

福太郎「あら、どうも。」

ラム「夜分遅くに悪いわね。」

福太郎「いうても八時ですやん。どないしたんです?」

ラム「二時間くらいお邪魔させてもらっていい?」

福太郎「ええですけど」

クロ「どした?」

福太郎「二時間ご休憩」

ラム「その言い方やめなさい」

お仙『二時間コース』

ラム「やめんかい!」

福太郎「ほな、お茶でも入れましょか、それともアルコール?」

お仙『エタノール!』

ラム「黙ってろバカ野郎」

福太郎「まぁまぁ」

ラム「ノンアルコールで頼むわ」

お仙『なんデ?』

ラム「このあと仕事なのよ」

福太郎「仕事ですか」

ラム「ええ」

クロ「……どんな仕事だ?」

ラム「道士の仕事って言ったら……」

お仙『ストリートファイト』

クロ「キョンシー運びか」

ラム「そういうこと」

お仙『ほほう、新米キョンシーカ。ここはひとつ私がいっぱつガツンといわないとダメだナ』

ラム「……」
ひゅっ
ぺたっ
お仙『……』
ピタッ

福太郎「お札炸裂」

お仙『……』

クロ「この札をあと365日分くれ」

ボッ!
お仙『あー、ビックリしタ』

福太郎「発火したんですけど」

ラム「……今の結構高価かつ高能力な札だったのに」

お仙『一瞬記憶飛んダ』

福太郎「飛んだんは記憶やないで……時や」

お仙『ディアボロ!!』

クロ「札が効かなくなってるのか?」

ラム「というか強くなってる感じかしラ」

クロ「ええっ……」

お仙『レベルを上げて物理で殴ル』

クロ「やかましい!」

福太郎「強ぉなるもんなん?」

ラム「ならない事はないけど、本来は術者、または道士自身が成長してその力でキョンシーをを制御する流れが普通なんだけどね……。」

福太郎「ほんなら、ラムさんがレベルアップしたとか?」

ラム「いや、既に私のコントロール下にはないから、そもそも私は特にレベルアップしてないし」

お仙『つまり私は生き返りかけてるってことカ』

ラム「それはない」

クロ「むしろ、これ以上げんきになられても困るんだが」

福太郎「ちなみにパワーアップしたら特殊能力とかつく?」

ラム「毒性は強くなるらしいけど」

福太郎「毒?」

ラム「牙とか爪とかに毒があるのよキョンシーは」

お仙『でも、私は深爪してるから爪ないゾ』

ラム「知るか!」
37/100ページ
スキ