ｰ集合墓地:あやかし屋ｰ

悠「オッスオッス!」

骨女『いらっしゃいなんし。おや、おひとりですか?』

悠「んっ、おひとり様です。」

絡新婦「げっ」

悠「そんなに嬉しいのか」

絡新婦「どこがじゃ!」

悠「その辺りかな」

絡新婦「だからどこだ!」

悠「あははは」

絡新婦「うがーーー!!」

二口女「ジョロ、落ち着け。」

恋「なんじゃ?ものすごい声が聞こえてきたぞ?」

二口女「気にせんでくれい」

骨女『おや、おひとりといっていたようですが』

悠「ああ、忘れてた」

恋「蹴り飛ばすぞ!」

悠「とりあえず……持ち帰り用になんかお菓子包んでくれる?」

ろくろっ首「あれ～食べていかんの?」

悠「ああ、福ちゃんに差し入れに行くんだ」

抜け首「福やんどうかしたんか?」

悠「多分だけど筋肉痛で動けない状態だと思う」

二口女「ああ、そういえば例の遺骨掘りはどうなったんだい?」

悠「収穫はあったけど、目的の骨は見つからなかったよ」

骨女『見つからなかったのに収穫はあったんですか?』

悠「……聞きたい?」

恋「グロい話ならやめい。グロは好かん」

悠「グロないよ。首吊り死体と白骨死体と人間が着ていただろう衣服と犬の骨が見つかっただけ」

恋「充分にえぐいわ!」

抜け首「ようそんだけ見つけたなぁ」

ろくろっ首「樹海にでも言ったんか?」

悠「似て非なるところかな。他にもヤバそうなのがゴロゴロしてたぞ」

骨女『何ですか?』

恋「聞くんかい!」

悠「金塊に札束に拳銃に白い粉とか」

「「「『……』」」」

悠「妖怪が引くなよ」

恋「妖怪でも引くレベルのことじゃろが!」

悠「そうかなぁ。そういうヤバいものをしょい込んだから、そういう末路にいたった連中ってことだし。」

絡新婦「ふん、まともなこと言うじゃない」

悠「おれはいつだってまともだよ。おれ的にはだけどな」

二口女「なら、他人から見たら?」

悠「……狂人かなぁ。いや、ここはイケメンていっておこう」

恋「阿呆じゃろ」

骨女『まぁ、お茶でもどうぞ』

悠「ああ、どうも。ズズッ……まぁ、おれらが捜してる遺骨はそういうのではないけどな」

骨女『私らでも手を貸せればいいのですが、何分力仕事で役に立ちそうなのが二口さんだけなんですけど……』

二口女「手伝おうかい?」

絡新婦「お前のような燃費が悪いのは足手まといだろ」

二口女「後ろの口におにぎりを放り込んでもらいながら仕事する」

恋「横っ腹が痛くなりそうじゃな」