第壱夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

福太郎「あつぅ……」

ミツバ『あついですぅねぇ……』

メリー「暑いわねぇ……」

すっきー『ダレダレっすね』

福太郎「アカンは……今年はもう夏を超えられずに逝くんや」

すっきー『そういう事いう人って結局なんやかんやで夏超えるんすよね』

福太郎「はぁ……すっきーは平然としとるね」

すっきー『まぁ、霊体ですから。暑い寒いはないですよ。ねえ』

ようよう「そうだな」

福太郎「なるほど、霊体やったら暑い寒いは平気なんか……。なるほど……なるほど……」

すっきー『変なこと考えてないっすか?』

福太郎「例えば?」

すっきー『いえ別に……』

福太郎「まぁでも毛皮きとるミツバよりは幾分ましかな」

ミツバ『床が冷たくて気持ちいいですぅ』

福太郎「……ネコもええなぁ」

すっきー「ご主人様~エアコン入れて~」

福太郎「あんまり電気使いよったら火間虫入道がまた出てくるしなぁ……メリーちゃん服脱いどく?」

メリー「そんな究極最終手段みたいなことしたくないっ///!」

福太郎「はー……あっついなぁ」

メリー「流された……」

福太郎「流しそうめんとか食べたいなぁ……」

すっきー『大分現実逃避してるっすね』

福太郎「パソコンしたら熱暴走で動かんようなるし、本は読み切ったし、この炎天下に出ていく気は起こらんし……すっきー、なんか一発芸して」

すっきー『無茶ぶりしないでくださいっス』

福太郎「ほら、壁に耳あり的なんでええから」

すっきー『アレやったら人の耳なめるでしょーがっ!』

福太郎「うん。押すな押すな言われたら押せ言う振りやろ?」

すっきー『私一度たりともそんな振りなんていってないっすよね』

福太郎「細かいことはええやん」

すっきー『納得いかねぇ!!』

福太郎「ん?」

すっきー『どうかしたんすか?』

福太郎「ちょっと手伸ばして」

すっきー『?』

ぎゅ…
福太郎「ひんやり……」

すっきー『……は、はい?』

福太郎「ひんやりとして急激に冷たぁない程々な温度。まるで水枕」

すっきー『あの、なにをいって……』

だきっ!
福太郎「すっきーゲットだぜ」

すっきー『ちょっ?!何してんすかアンタ!!』

福太郎「昨日熱帯やで寝不足やったんよ」

すっきー『いやいや、じゃなくて!じゃなーくーてー!!』

福太郎「二時間くらいしたら起こしてな」

ずりずり……
すっきー『コラー!ベットに引きずり込むなぁー///』

福太郎「なんもせんて」

すっきー『もうすでにすっげー密着しとるじゃないっすか!』

福太郎「ぐぅ……」

すっきー『驚きの寝付きの良さ?!』

メリー「私も寝よう」

ずりずり
すっきー『メリーちゃんは何処に入ってる気ですか?!』

メリー「服の中もひんやりしてるー♪」

すっきー『ちょー!もぉーー!!』

ようよう「冷蔵庫の中が一番つめてぇのにな」

すっきー『いや、それはひとには無理でしょ』
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