ｰ郊外某所-

悠「んじゃ、この辺りを掘ってみますか。よいしょ」
ジャキン!

ナズーリン「……私の目がおかしくなかったならば、それはシャベルじゃないよな?」

悠「これは螺旋穴掘り。こうゃって地面に突き刺して捩じると掘れていくんだ」

お仙『おお、凄イ!』

悠「だろう」

ナズーリン「……ひとついいかい?」

悠「なんだい?」

ナズーリン「たしかに便利だが土に埋まったものを探すには不向きではないか?」

悠「……」

ナズーリン「下手に掘りこむと遺体ごと貫きそうな気もするのだが」

悠「……やっぱりシャベルだ!シャベルが一番!」

お仙『無駄な荷物だったナ』

悠「うおおおぉっ!掘るぜ掘るぜ!超掘るぜぇぇぇ!」

ナズーリン「馬鹿だなぁ」

悠「よいしょ、よいしょ」
ザクッザクッ

お仙『頑張レー』

悠「よいしょ、よいしょ」
ザクッザクッ

お仙『ファイトー』

悠「……手伝ってくれませんかねぇ?」

お仙『ああ、やっぱりその方がいイ?』

悠「その方がいいね。」

お仙『じゃあ、手伝おウ』
ザクッザクッ

悠「ナズ子さんは……いいや」

ナズーリン「ナズ子といういいかたはこの際、置いておいて……手伝わなくていいのかい?」

悠「体力なさそうだし」

ナズーリン「とことん失礼だな君は!」

悠「え、じやあ、体力バリバリ?」

ナズーリン「人間の君よりかはね。」

お仙『コイツを人間と思わない方がいいゾ』

悠「バリバリ人間ですけど!」

ナズーリン「……」

悠「あれ、どしたの?」

ナズーリン「いや、ごく最近、人間の巫女や魔法使いやピーマンに酷い目に合わされたのを思い出した」

悠「最後のが気になる」

ナズーリン「気にしなくていいよ。私も手伝うよ」

悠「まぁ、そういうなら、ほい、シャベル」

お仙『おっ、何かあっタ!』

悠「ええ、もう?」

お仙『でも、なんだこレ?』

悠「箱?」

ナズーリン「箱だね。」

悠「もしかしたら、お宝?掘りだせ、掘りだせ」

お仙『アイアイサー』
ザッザッ

悠「まさか、こんなところでトレジャーはんとするとは」

ナズーリン「私は本来そっちが本職なんだけどね……」

お仙『掘れタ!』

悠「よし……重さは……軽っ、っか、これ空か」
パカッ

お仙『何も入ってなイ』

ナズーリン「ただの不法投棄物が埋まっていたようだね。」

悠「ちぇ」