第壱夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

悠「無理を頼みたいんだが」

福太郎「んー↑……んー↓……ごめんなさい」

悠「せめて内容聞いてから断ってくれないかな」

福太郎「せやけど、悠に出来ん事を俺にできるいう道理はないんやで?凡人は凡人なんやけん」

悠「なぁ、福ちゃん。ナンバーワンにならなくてもいいもともと大切なオンリーワンって歌があってだな……」

恋「福太郎のネガティブ根性はものすごいもんじゃな」

すっきー『普通にしてる時は普通なんですけどね……誰かと自分を比べるときは恐ろしく自己否定が半端ないんスよ』

ようよう「立派でないにしろ良い人間だと思うんだけどな」

福太郎「ワーストワンやろ……」

悠「そんなことないから!性格の良さで勝負してもおれなんかボロボロだから!お願いだから真顔でネガティるのやめて!暗くならないで!」

福太郎「全然シラフで暗ぁなっとるつもりはないんやけどな。SAN値平常やで?」

悠「普通の状態で暗い事いわれてるボクの立場になってください!!」

福太郎「そんな気にせんでもええと思うやけど……悠は気にしいやな」

悠「同じことを従姉の姉さんにいわれたことあるけど普段はそんなこと無いから、ここまで気使うの福ちゃんにだけだから」

福太郎「なんで?」

悠「いや、他の奴らなら勝手にしろって思うんだけど福ちゃんの場合、気を抜いたら消えてそうで怖いんだ」

福太郎「んー↑……んー↓……まぁ、よう分からんけどありがと」

悠「どーいたしまして……。っか、その「んー」の上げ下げははまってるのか?」

福太郎「ちょっとな」

悠「おれも「あー」に上げ下げ付けてみようかな」

恋「やめておけ……ただでさえガラの悪いのが悪化する」

悠「あー?」

福太郎「迫力あるなぁ」

悠「まぁ、それはこっちにないないしといて」

福太郎「はい、メリーちゃん」

メリー「あー?」

悠「ボケのノリが分かってんなぁ」

メリー「はい、ようようにあげる」

ようよう「あー?」

恋「なんじゃこりゃ……そういう遊びなのか?」

ようよう「ほら、隙間の姉さん」

すっきー『あ』

悠「まぁ、茶番は置いといて」

すっきー『なんで私ン時に邪魔するんスかッ!!』

悠「頭の話に戻るが福ちゃんに絵を描いて欲しい」

福太郎「向日葵はまださいとらんけど?」

悠「いや、向日葵でなくてコイツの絵」

恋「なっ?!」

福太郎「んー……一応聞くけどなんで?」

悠「コイツ鏡に映らないんだよ。ついでにいうとカメラにもだから絵に描いてやってくれないか?」

福太郎「んー……生きたもん描くんはなぁ……。」

恋「ちょ、ちょっと待て!なにを勝手なこといっとる!」

悠「だって、お前たまーに鏡の前でひとり唸ってるじゃん」

恋「見てたのか!黙って見ておったのか///!!」

悠「ダメだったのか?」

恋「っ~~///!!」

福太郎「ほほえましいなぁ」

悠「何が?」

福太郎「いやいや、んー……けど、それは絵よりなんか妖怪でも映す鏡的なもん探した方がええんとちゃうかな」

悠「ラーの鏡とか?」

福太郎「それ見つけるんは中々骨やね」
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