ｰ郊外某所ｰ

拳二「おーし、ここだ。」

クロ「見渡す限り……木々だな」

福太郎「そして、ちょっとした山」

拳二「いいか、お前ら。俺ぁは車で待ってる。今からお前らが何をするかは見ねぇ。」

悠「おう」

拳二「地図は悠に渡しとく。それとついでにもう一つ」

悠「なんだ」

拳二「ここは私有地だ。ひとがいるわけない。もし居たら……とっ捕まえろ。場合によっちゃあ足の一本ぐらい折ってもいい」

幽香「分かったわ」

ナズーリン「おい、誰かこの妖怪を止めてくれないか?」

福太郎「無理」

悠「一般人かもしれないのに?」

拳二「それはそれで使い道がある。だから、ほら、縄」

悠「仕方ないな。預かっとく」

ラム「仕方ないって……」

福太郎「荒事は悠に任せとこう」

拳二「んじゃ、俺ぁは車でいるから納得したら戻ってこい」

悠「さて、それじゃあ……まずはどうしようか?」

ラム「地図を貸して」

悠「はい」

ラム「風水版を置いて……あっちの方角ね」

幽香「はい、お仕事よ」

ナズーリン「まったく……私は死体探しなんてしたことないんだが」

悠「ネズミミ、ネズミミ!」

クロ「どこに食いついてるんだ!」

お仙『クロは犬耳だゾ』

クロ「張り合うな!」

ナズーリン「よいしょ」
スッ

ラム「それがダウジングロット?ずいぶんと長いわね。」

ナズーリン「これぐらい長い方が感度がいいんだよ」

悠「なんかエロいな」

ナズーリン「……」
ゴスッ!
悠「凄く痛い!」

ナズーリン「こうやって不埒者を殴るのにもつかえるしね」

ラム「なるほど」

幽香「ふざけてないで行くわよ」

ナズーリン「私はふざけてない」

福太郎「悠、大丈夫?」

悠「金属バットで殴られたときよりは痛くなかった。さて、おれもランタンで手伝うかな」

お仙『さっそく森の中に入っていくナ』

ラム「……こっち、こっちだわ」

ナズーリン「うん、こっちだね」

悠「おれの方は反応なし」

福太郎「歩きにくいな」

幽香「ずいぶんと手入れされていないようね。野草でぼうぼうだわ」

お仙『ここはひとつゆうかりんの手デ』

幽香「吹き飛ばせと?」

福太郎「できるんすか?」

幽香「吹き飛ばすのはいくらでもできるけど死体まで炭になったら困るでしょ」

悠「ワイルド」

ナズーリン「粗暴の間違いじゃないかい?」