第拾壱夜『福太郎の不思議な日常』

ー池袋:西口公園ー

悠「……」

福太郎「お待たせ」

悠「ううん、今来たところ。うふふ」

クロ「キショクワルイ!」

悠「おー、クロは来ると思ってたが……」

幽香「……」

ナズーリン「……」

お仙『……』

悠「幽香さん、帰ってきたんだな」

幽香「あのまま帰ったら後味が悪いでしょ」

悠「なるほど、で、その娘は?」

幽香「これはナズーリンっていう妖怪鼠」

ナズーリン「間違ってはいないけど、別の言い方をできないものかな」

幽香「……」

ナズーリン「おのれぇ……」

悠「これで全員」

福太郎「いや、あとひとり」

ラム「私が最後みたいね。」

福太郎「んっ、ラムさんも来てくれたんや」

ラム「そりゃあね」

悠「ほんじゃあ行くか」

福太郎「徒歩?」

悠「いいや、ワゴン車」

拳二「おう、お前らか。とりあえず乗れ」

クロ「黒塗りのワゴンって……なんかまんまね。」

福太郎「ホンマやね。」


~~

ー車内ー

悠「さて、とりあえず今から行くところだけど……山だ」

クロ「や、山ぁ?!」

拳二「山っーよりは雑木林に近いかな。」

福太郎「遠いんですか?」

拳二「いいや、すぐそこだが立ち入り禁止の場所だから別の場所から入る」

クロ「どういうことだよ……」

悠「その土地いったいをこのヤクザの私有地らしい」

拳二「俺ぁのじゃなくて組のモノだけどな。それでも、最近は林業関係は俺ぁが任されてるからいいんだが」

お仙『そこで死体探しカ』

拳二「おいおい、死体探しってマジだったのか。俺ぁキノコでも取りに行く冗談だと思ってたのに」

クロ「おい、お仙」

悠「死体探しだよ」

クロ「お前も普通に言うのかよ……」

拳二「でも、確かにあそこなら死体隠すにはばっちりだろうな」

福太郎「そうなんすか?」

拳二「ああ、うちでもあそこに……いや、なんでもねぇ」

クロ「……関係ない死体とかも出てきそうだな」

拳二「かっかっか、しかし、ゴロゴロ転がってるわけでもねーのにお前らどうやって見つける気だ?」

悠「これを使う」

ラム「手は考えてきたわ」

幽香「この娘の出番よ」

福太郎「おー」

「「「え?」」」

福太郎「悠はなに持ってきたん?」

メフィスト「から借りた青の鬼火(ブルーランタン)。この火が揺れるとそこの近くに死体があるらしい」

お仙『ラムは?』

ラム「風水板よ。これは本当は吉の方角をさぐるものだけど、呪を施して凶角の方に死者を刺すようになってるわ」

クロ「それでアンタが……」

幽香「私が幻想郷から連れてきたこれはダウザー。ダウジングで探させる」

ナズーリン「そういうことはしたことがないのだけどね。」

拳二「なんだ、お前ら死体探しのプロか?」
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