第拾夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

悠「もう少しおれの方でも調べてみる。っー、わけで帰るわ。セクハラする空気でもないし」

クロ「はじめっからそんな空気はねぇ!!」

福太郎「悪いね」

悠「いいよ、登りかけた山だ」

ラム「乗り掛かった舟でしょ」

悠「そうともいう」

ラム「そうとしか言わない」

悠「じゃ、またな」

福太郎「んっ」

メリー「ねぇねぇ、ラムさんが今度は霊視で身体の方を見れないの?」

ラム「難しいと思うわ。この霊が記憶がない理由の大半は頭部が成仏してるってことだし」

首のない女『あの、逆に聞きますけど私の身体が見つかれば私は成仏するんでしょうか?』

ラム「恐らくわね。まぁ、当然だけど手厚く供養もするし」

幽香「ま、なんにしても今はここまでで精いっぱいね。」

ラム「そうなるわね。」

首のない女『いえ、ここまでしていただいただけでもうれしかったです。ありがとうございました。』

福太郎「帰るん?」

首のない女『はい、色々わかりましたし、私も少し落ち着いて考えてみようと思います。もしかしたら、何か思い出すかもしれませんから』

クロ「……アンタに会うとしたらどこにいけばいい?」

首のない女『あの廃病院にきてください。私はあそこにいますから、じゃ、失礼します』

福太郎「……なんや後味が悪いな」

ラム「仕方ないわよ。っていうか、別にアンタが悪いわけじゃないでしょ」

福太郎「そうなんですけどね」

幽香「ま、深入りしたのは福太郎のおせっかいのせいだけどね」

福太郎「ですよねー」

ラム「容赦ないわね」

幽香「事実を言ったまでよ」

ラム「……とりあえず、私も帰るわ。何か進展があったら連絡頂戴」

福太郎「分かりました」

クロ「軟化長い一日だったな」

お仙『だなァ』

幽香「っていっても、まだ夕方だけどね。」

メリー「そとは真っ暗ね。」

福太郎「日が暮れるん早ぁなったなぁ。」

クロ「どうする?」

福太郎「んー……今日はもう考えるンやめよ。ちょっと疲れたわ」

お仙『晩御飯はどうすル?』

クロ「お前なぁ」

福太郎「ピザでもとろか」

お仙『いいネ!』

クロ「いいけどよ……。」

福太郎「幽香さんも夕飯、ピザでええですか?」

幽香「……」

福太郎「幽香さん?」

幽香「え、ああ、いいわよ。」

福太郎「どうかしました?」

幽香「何でもないわ」
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