第壱夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

悠「前口上欲しくない?」

福太郎「また、なにのこというてるん?」

悠「いや、福ちゃんも這い寄る混沌的なふたつ名が欲しいころかと思って」

福太郎「すごいな」

悠「あー?」

福太郎「いや、前口上いうてたのにもうふたつ名に話がすりかわっとる」

悠「……」

福太郎「……」

悠「細けぇことはいいんだよっ!!」

メリー「ムチャクチャね」

恋「なにをいまさら……」

福太郎「ってか、俺の前口上ってロクなもんやないやろ」

悠「いや、福ちゃんは天然のドSだけどけして悪いとか酷いひとぢゃないわよ?もっと自分に自身を持って」

福太郎「……はは」

悠「どうしよう力なく笑われた」

福太郎「ごめんな、ニュートラルがネガティブ設定やねん。」

悠「まぁ……有りだな」

福太郎「有りなんや」

メリー「有りなのかしら?」

恋「悠のなかでは有りなんじゃろ、悠のなかでは」

福太郎「ほんで、話を出してきたいうことは例えとか考えとるん?」

悠「そうだな例えば……」

この世には目には見えない闇の住人たちが……

福太郎「ストップ」

悠「え?」

福太郎「いや、まえのあだ名の時もそうやったけど……こういうんは有りなん?」

悠「とりあえず最後まで続けていいかな?」

福太郎「んー……ほな、いってみる?」

この世には目には見えない闇の住人たちがいる

奴らは時として牙をむき、悠を襲ってくる

彼はそんな奴から悠を守るため地獄の底からやってきた正義の使者……なのかも知れない…

悠「ふーくぅー」

福太郎「無し」

悠「ダメすか、地獄の先生的なのダメすか?」

福太郎「そもそも、俺教師ちゃうし、ほんでまず悠限定で襲われることは無いやろ。それにむしろ俺が守るんやのーて悠が守る側やん。地獄の底から来てないし、行くことはあるかもやけど」

悠「わぁー……ありったけのツッコミをぶつけられてサラッとネガるのも忘れてない」

福太郎「総合的になしやな」

悠「じゃあ……み、み、みみみみー♪」

福太郎「シャンタッ君?」

悠「あさーは寝どこでグーグーグー♪」

福太郎「アカンて、名前が似とる分さらにアカン系や」

悠「おい、鬼……いや、福太郎ぅ!」

福太郎「鬼いうてもうてるなぁ。ってか、鬼は自分やろ」

悠「ダーリン浮気はダメだっちゃ?」

福太郎「悠がそれでええんやったらええけど」

悠「いや、よろしくないよ?」

恋「じやあ、なんで自分で言ったんじゃ」

福太郎「そもそも俺髪を針とか霊毛のちゃんちゃんことかリモートコントロール可能な下駄とか体内で発電とかでけへんし」

メリー『ご主人様くわしい』

福太郎「水木茂は大好きだからね」

悠「いいよな。っか、福ちゃんてたまーに標準語になるよな」

福太郎「悠はときどき何語か分からんようなるよな」

悠「でゅふふっ♪」

恋「気持ちが悪い……」

悠「誰がさざえおにだ」

恋「いうとらんじゃろ!」

福太郎「悠にとって気持ちの悪い妖怪はさざえおになんやな」
85/100ページ
スキ