ｰ夢見長屋近く:廃病院ｰ

福太郎「え、手術ミスしたひと?」

顔色の悪い男『いえ、違います。病院の医師のひとりだったものです。』

福太郎「それで……自殺を?」

顔色の悪い男『はい……もう辛くて辛くて…』

幽香「死んで楽になれたの?」

顔色の悪い男『いや、それも……』

幽香「でしょうね。」

顔色の悪い男『はい…』

福太郎「マジすか」

クロ「なんでお前が食いついてる」

顔色の悪い男『いやぁ、ずーっと首つったような感じなんですよ』

福太郎「え、ほんなら、首のない人はずーっと首切られた感じなん?」

首のない女『いえ、私は自殺じゃないんでそんなことはないです』

クロ「自殺で首落としてたら大変だろうな」

お仙『……っていうか、それって殺人じゃね?』

福太郎「……あ」

クロ「……あ」

血まみれの女『私も殺されたようなものよ。』

幽香「ふぅん」

血まみれの女『まるで興味なし?!』

福太郎「とりあえず、今日は帰ってええかな?」

血まみれの女『あんたも普通に帰ろうとするわね』

福太郎「今日は幽香さんとピクニックの予定なんで……また後日きますわ」

首のない女『わざわざまた来るの?』

福太郎「んっ……あ、来てほしいないんやったら来ませんけど。」

顔色の悪い男『いや、できれば来てあげてください。私はともかく、ほかのひと(霊)たちは話を聞いてほしい方も多いので』

お仙『その割にはポルターガイストアタックしてきたゾ』

血まみれの女『そりゃそうよ。幽霊だもの』

福太郎「ほんなら、また来ますわ」

血まみれの女『無視か!』

首のない女『……』


～～


ｰ池袋:西口公園ｰ

福太郎「なかなか濃厚な廃病院やったね」

幽香「なんであんなのが気になったのかしら」

クロ「まぁ、確かに霊的なものはいたわけだからな」

お仙『ものとか食べられるのか?』

クロ「は?何言って……」

首のない女『試したことはないけどのどに流し込めるものならおそらくは、大丈夫』

クロ「なに連れてきてる!!」

お仙『連れてきたんじゃなイ。ついてきたんダ』

首のない女『ピクニックとか楽しそうだったから。大丈夫、邪魔しないし、普通の人には見えないわ』

クロ「そりゃそうだけど……」

福太郎「日の下でも平気なんやね。」

首のない女『キョンシーにこそ、そのセリフだと思う』

お仙『私は鍛えてるからナ!』

クロ「違うだろ」