第壱夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

悠「つまらねぇ……」

福太郎「んー?」

悠「福ちゃんこれ読む?外れだったつまらない」

福太郎「つまらないのを人を進めるところが悠やな」

悠「っか、最近ハズレが多い」

福太郎「そーなん?」

悠「うん。今のとこ三連続でハズレ引いてる」

メリー「なんでそん本買うの?」

悠「こっちだって好きで買ってないっての」

恋「ロクに中身も見ずに買うからじゃろ」

悠「いいかなっと思っては買ってるんだけどな」

福太郎「好みの作者以外のも買うんて何を目処立てて選らんどるん?」

悠「……話題性?」

福太郎「それでハズレ引くと」

恋「阿保じゃ阿保」

悠「10万部突破!とかユーモアミステリー待望の!とか書かれてたらとりあえず目は引かれるだろ」

福太郎「でもハズレ引いたと」

悠「……」

福太郎「ん?ちゃうん?ハズレだったんやろ?」

悠「なんだろう擦り傷にあら塩刷り込まれてる気分」

福太郎「けど、ハズレ……」

すっきー『福さん、いくらなんでも流石に可哀想っす』

福太郎「ん?」

悠「まー……総合勝率7:3だからな。」

福太郎「10冊中7冊勝ちならありやないの?」

悠「……」

恋「100冊中30冊の勝ちらしい」

福太郎「惨敗やん」

悠「そうなんだよ……あらゆるギャルゲーのフラグ攻略、RPGの隠し要素、男と女の判別率、乳首の位置当て、そうめんに入ってる赤いのの奪取率……どれも100%なんだが、本に関してはハズレが多い特に小説」

福太郎「そこまで完璧なのに最後の最後で惜しいところやな」

すっきー『いやいや、他に突っ込むところがあるんじゃないっすか?!』

福太郎「ちなみにハズレ本の行方は?」

悠「基本は倉庫にブチ込んでる。詳しく言うと……気にいりまたは当たりは自室、可も無く不可もなくなのは二階書斎。希少本は一階そ書斎。ハズレは段ボールにいきで倉庫に封印」

福太郎「売らんの?」

悠「ゲームも本も基本的には売らないな。もしかしたら突然したくなるかもだし」

福太郎「スーファミとかな」

悠「むしろアレは現役」

恋「しかし、本を放置しておくと九十九神となるぞ」

悠「放置してる訳じゃない読み終わったから封印してるんだ」

恋「一緒じゃ!」

福太郎「本の九十九神か……」

悠「火に弱そうだな」

恋「いっぺん祟られろ」

悠「お前が守ってくれるんだろ座敷童子さんよぉー」

恋「お前のようなやつはお断りじゃ」

悠「ちっ、尻ばかりみせやがって役に立たない。この、THE・尻わらしが」

恋「なんじゃと///!!誰が尻わらしじゃ!!」

福太郎「上手い事いうたな」

すっきー『えぇ……』

恋「お前はもっと恋を敬わんか!」

悠「やかましいぞ小娘」

恋「恋の方が歳上じゃ!」

悠「じゃあ、小五月蠅いぞババァ」

恋「蹴り殺すぞ!」

福太郎「暴れるんなら外でやってなぁ」

すっきー『余裕っすね……。いいんすか?』

福太郎「痴話喧嘩は犬も食わんもんや」
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