ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました弐幕
ー大江戸学園:旧工場施設ー
雲山「しかし、仕掛けばかりで攻めてくる様子が無い…な」
久秀「しっかりと掛かっているから敵側としたら大成功なんでしょうけどね。あっ」
一歩踏み出した雲山の足に何かが触れた。ピンっと張られた糸のようなもの。プチンッと音を立てて糸が切れると、上からドラム缶が降ってくる。
片腕を突き上げ、落下物を弾き飛ばす雲山。しかし、更に前から何かが発射された。
雲山「ふんっ!」
自分の前にドラム缶を振りおろし発射物の盾とする。ガインッと音を立てて矢のような物はドラム缶の腹を貫いた……しかし、その突き刺さった場所から液体が漏れだす。
久秀「くんっ……この匂いは油?」
「クククッ」
何処からか笑い声が聞えた。そして放物線を描いて飛んできたのは小さな金属。ジッポライターだ。
雲山「逃げろ!」
そう叫ぶ前に、久秀はその場から駈け出していた。雲山はワンテンポ遅れてドラム缶を蹴り飛ばし、近くのテーブルの後ろへと飛び込だ。
作業音を吹き消すほどの爆音と広がる熱。四方を吹き飛ばし散らばる炎。
久秀「コホッ、まったく……やってくれるわ。ホント……ちょっと、生きてる?」
声をかけるも返事はない。というより、他の音に声がかき消されているのだろう。
仕方なく探しに行こうとした久秀の視界に人影が映った。身長は2メートルはあろう巨漢に赤いドレッドヘアー、白い肌に青い隈取りという異様な風体の男。
「クククッ。優越」
久秀「あら……アナタが噂の風魔かしら?」
風魔「いかにも」
腕を組んで久秀を見下ろす男は微動だにしない。余程の自信なのか何かを狙っているの表情からは読めない。
そんな不気味な相手に久秀は火薬扇を抜く。
久秀「アナタの罠のお陰で火種には困らないわね」
緩やかに扇子を仰ぐと薄く広範囲に火薬が散らばりだした。こんな狭い空間で、しかも火の海の中、火薬を使うのは非常に危険だ。しかし、それ以上に危険なのは、目の前にいる男だと久秀は感じとった。
風魔「無意味。」
久秀「なっ…!?」
久秀の目のまえに何かが伸び火薬扇を弾き飛ばす。投擲ではない。実際に伸びたのだ。なにが?それは……腕?
風魔「クククッ」
うねる蛇のように伸びた腕が元に戻る。
久秀「っ……何今の」
幻覚……ではない、実際弾かれた。なにか仕掛けがあるはず……たが、今はそれどころではない。久秀は剣徒であっても近接戦闘型ではない。中遠距離からの広域攻撃タイプ。
剣魂のダンジョーを召喚しようと、鉄扇に手を伸ばす。
風魔「ククッ。」
ジャッと、また風魔の腕が伸びる。それを避ける久秀。唸る鞭のごとく次々と攻撃が襲ってくる。
久秀「くっ…」
一方的な高速攻撃に鉄扇を抜く暇がない。
風魔「ククッ、愚か。」
雲山「愚かなのはテメーだろ」
ゴォンっと破壊音が鳴って風魔の攻撃がやむ。
久秀「どうやら、生きてたのね。」
雲山「当然」
風魔がいた場所に叩きつけられて砕けた机と怒りで血管が浮き出ている雲山の姿が見えた。
風魔「鬼……か。クククッ」
雲山の一撃を避けた風魔が薄気味悪く笑った。
雲山「しかし、仕掛けばかりで攻めてくる様子が無い…な」
久秀「しっかりと掛かっているから敵側としたら大成功なんでしょうけどね。あっ」
一歩踏み出した雲山の足に何かが触れた。ピンっと張られた糸のようなもの。プチンッと音を立てて糸が切れると、上からドラム缶が降ってくる。
片腕を突き上げ、落下物を弾き飛ばす雲山。しかし、更に前から何かが発射された。
雲山「ふんっ!」
自分の前にドラム缶を振りおろし発射物の盾とする。ガインッと音を立てて矢のような物はドラム缶の腹を貫いた……しかし、その突き刺さった場所から液体が漏れだす。
久秀「くんっ……この匂いは油?」
「クククッ」
何処からか笑い声が聞えた。そして放物線を描いて飛んできたのは小さな金属。ジッポライターだ。
雲山「逃げろ!」
そう叫ぶ前に、久秀はその場から駈け出していた。雲山はワンテンポ遅れてドラム缶を蹴り飛ばし、近くのテーブルの後ろへと飛び込だ。
作業音を吹き消すほどの爆音と広がる熱。四方を吹き飛ばし散らばる炎。
久秀「コホッ、まったく……やってくれるわ。ホント……ちょっと、生きてる?」
声をかけるも返事はない。というより、他の音に声がかき消されているのだろう。
仕方なく探しに行こうとした久秀の視界に人影が映った。身長は2メートルはあろう巨漢に赤いドレッドヘアー、白い肌に青い隈取りという異様な風体の男。
「クククッ。優越」
久秀「あら……アナタが噂の風魔かしら?」
風魔「いかにも」
腕を組んで久秀を見下ろす男は微動だにしない。余程の自信なのか何かを狙っているの表情からは読めない。
そんな不気味な相手に久秀は火薬扇を抜く。
久秀「アナタの罠のお陰で火種には困らないわね」
緩やかに扇子を仰ぐと薄く広範囲に火薬が散らばりだした。こんな狭い空間で、しかも火の海の中、火薬を使うのは非常に危険だ。しかし、それ以上に危険なのは、目の前にいる男だと久秀は感じとった。
風魔「無意味。」
久秀「なっ…!?」
久秀の目のまえに何かが伸び火薬扇を弾き飛ばす。投擲ではない。実際に伸びたのだ。なにが?それは……腕?
風魔「クククッ」
うねる蛇のように伸びた腕が元に戻る。
久秀「っ……何今の」
幻覚……ではない、実際弾かれた。なにか仕掛けがあるはず……たが、今はそれどころではない。久秀は剣徒であっても近接戦闘型ではない。中遠距離からの広域攻撃タイプ。
剣魂のダンジョーを召喚しようと、鉄扇に手を伸ばす。
風魔「ククッ。」
ジャッと、また風魔の腕が伸びる。それを避ける久秀。唸る鞭のごとく次々と攻撃が襲ってくる。
久秀「くっ…」
一方的な高速攻撃に鉄扇を抜く暇がない。
風魔「ククッ、愚か。」
雲山「愚かなのはテメーだろ」
ゴォンっと破壊音が鳴って風魔の攻撃がやむ。
久秀「どうやら、生きてたのね。」
雲山「当然」
風魔がいた場所に叩きつけられて砕けた机と怒りで血管が浮き出ている雲山の姿が見えた。
風魔「鬼……か。クククッ」
雲山の一撃を避けた風魔が薄気味悪く笑った。