ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました弐幕

ー大江戸学園:木偶人形施設ー

想「はぁっ!」
バキン!
木偶人形『……』
ドシャ!

想「ふぅっ、こちらは片付きました」

寅「こっちも終わりだ」

雷太郎「まったく」

風太郎「出番が」

「「無かった」」

目の前に積み上がる残骸の山。その頂点で腰かけている男は額の汗を軽くぬぐう。

雲山「ふぅ、やはりこの島は暑いですね。」

寅「いや、アンタもう……何か無茶苦茶だな」

雲山「何がですか?」

寅「いや……なんでもない」

想「あはは…。実に頼もしいですね」

久秀「ちょっとあまり壊し過ぎないでよ。あとで久秀が再利用するんだから」

雷太郎「完全に壊しとく」

風太郎「方がいいかもな」

寅「それで制圧が済んだがどうするんだ。」

久秀「黙ってなさい脳筋」
カタカタ

寅「……」
バッ!
ガシッ!
雲山「まぁまぁ」

寅「いや、一発殴る」
ググッ
雲山「落ち着きましょうって…。」

久秀「ふんふーん♪はい、できた」
カタカタ

想「なにがです?」

久秀「ハッキング」

想「ハッキングですか」

久秀「今のところ起動している施設はいくつかあるわね……でも、この二つ。このどちらかに風魔が居るはずよね。」

雲山「ふむ」

雷太郎「そうか?」

風太郎「なぜそこだと」

雷太郎「断定できる?」

風太郎「施設だけの」

雷太郎「可能性だって」

風太郎「あるだろう?」

久秀「そうかしら」

雲山「何か確証が?」

久秀「ここ、見てごらんなさい。」

想「これは……」

寅「なんだ?」

想「今までの小さな施設とは違いここは大型の工場なんです。」

久秀「そういうこと」

雲山「しかし、そんな大きな工場を占拠できるとは……」

想「いえ、多分この工場は使われていなかった場所ですね。」

雲山「というと?」

想「この学園内でも工場が潰れることは珍しくありません。そういう場所は普段は立ち入り禁止場所になるのですが……」

久秀「それが裏手に出たんでしょうね。人が近づかないのなら逆にやりたい放題でしょうし」

想「……返す言葉がありません」

久秀「ついでにほかの施設も分かってるし……一斉制圧をしかけるにはいいんじゃなくて?」

想「……そうですね。では、私の方から同心たちに他の施設の制圧を指揮します」

雲山「私は大型施設の方に向かおう。寅君、風君、雷君はもう一つの施設の方へ向かってください。」

寅「アンタ、ひとりで行く気か?」

雲山「ええ。ですが危なくなったら助けを呼ぶんで来てください、ね。」

寅「ふん、笑えない冗談だな」
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