ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました弐幕

ー大江戸学園:大通りー

灯「いい天気……ですが、少し暑いですね。」

摩耶「ホントにね。こっちはただでさえ熱帯だから。あ、日陰あるいていい?」

灯「いいですよ。日差し強いですか?」

摩耶「それもあるけど、僕太陽のひかりが苦手でね。吸血鬼みたいに灰になるわけじゃないけど、毒状態並に体力削られて、肌が焼けちゃうから」

灯「そうなんですか」

摩耶「僕、病弱だから」

灯「またまた」

摩耶「ううん、ホントに。昔は五分と動けなかったんだよ」

灯「本当に?」

摩耶「まぁ、五分は正直盛ったけどね。でも、階段とかですぐ息切れするし長時間の運動なんて出来なかったなぁ」

灯「それは……大変でしたね。」

摩耶「死ぬほど努力したからね。まぁ、死んでないけど」

灯「やっぱり摩耶さんは思った通りの方だ」

摩耶「思った通りって?」

灯「素敵な方だなぁと」

摩耶「会ってすぐには分からないでしょ」

灯「ああ、すいません。つい本音が」

摩耶「そんな事を言われたら照れちゃうなぁ。僕も質問いいかな?」

灯「はい、なんでも聞いてください」

摩耶「灯くんは忍者てほんと?」

灯「あはは…。時代錯誤ですよね。ですけど、忍ですよ。今はもうウチの一族ぐらいしか残ってないですけどね。お弟子さんたちもひと握りですし」

摩耶「ニンジャって異臭的にどういう仕事するの?」

灯「警察や特殊部隊が多いと言えば多いですけど、それもごく一部人たちで。最終的には普通に一般人に戻る人がやっぱり多いですね。」

摩耶「忍者も大変だね。」

灯「まぁ、影に生きるのが忍びですから」

摩耶「それで暗殺とかも請け負ってるの?」

灯「……え?」

摩耶「いや、歩き方とか身のこなしがね。存在を殺してるし。そういう仕事に向いてる気配がしたから」

灯「……ふふっ。鋭いですね。はい、正直に言うとそういう仕事に着く人もいます。逆にそうなった人を狩る忍もいて自分らで輩出して自分らで処理するなんて滑稽ですよね。」

摩耶「まぁ、人はそれぞれ考え方が違うからね。」

灯「昔は違ったんですよ。父がいうにはほとんどの忍びは小鳥遊弥一の監視役を担っていたそうです」

摩耶「悠くんのお爺さんの……でもそれって」

灯「えぇ、その人たちの引退の原因の九割が弥一さんにやられたそうです。」

摩耶「ある意味、残念な結末だね。」

灯「まぁ、最強生物に挑みたくなったて言うのはひとの性なんでしょう」

摩耶「かもね。それで灯くん」

灯「はい?」

摩耶「僕に本当の用事は何?」

灯「……摩耶くん」

摩耶「はい」

灯「私はどうやらキミのことが好きになってししまいました。というより、摩耶君と悠くんの闘いをみてから心惹かれていたんです。」

摩耶「……」

灯「お願いします。私と闘ってください」

摩耶「悠くんじゃなくて僕と?」

灯「悠くんは僕じゃなくて寅君の先約がありますから。それに……私はあなたと闘いたい」

摩耶「んー、いいよ」

灯「本当ですか!」

摩耶「うん。いいよ。まぁ、今日はしないけどね。暑いし」

灯「はい。今日はゆっくりと大江戸学園を楽しみましょう」
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