ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました弐幕

ー新宿:茶屋小鳥遊堂ー

悠「で、飯食いながらでいいが、各々どうするんだ?」

吉音「ふぁたひぃふぁ!!」

悠「お前はいいから飯食ってろ。」

吉音「もぐもぐ」

寅「本当に食うのかよ…」

久秀「食べてる間は静かだから良いでしょ」

想「それでいいのでしょうか……」

雲山「私と寅君、そして風君、雷君はもう一度施設の探索に行こうと思います」

想「その施設の件なんですが、また別の施設がいくつか見つかっています」

雲山「なんと……」

寅「ちょっと待ていつくか潰したばっかりなんだろ」

想「はい……。ですが、いえ……」

久秀「新たに増えたっていう表現の方が正しいんじゃない?」

想「…………はい。」

寅「どういうことだ?」

灯「風魔君……いえ、風魔の仕業でしょう」

寅「あ?」

久秀「木偶人形自体はベースパーツ(基本素体)さえあれば簡単に増産できる。あとはちょっとばかし知識があれば操作も可能。」

寅「……だからなんだよ?」

久秀「馬鹿ねぇ。」

寅「あ?」

摩耶「なるほど、あとはいくつかの大きな生産施設さえあれば倍々で木偶人形が作れるわけだ。そうなったら、一個小隊どころ無尽蔵に木偶人形兵が投入できる。」

想「そう……なりますね。」

寅「まるでターミネーターだな」

悠「そういえばターミネーターの新作映画、またやるらしいな」

寅「今はそんな話ししてる場合じゃねーだろ」

悠「えー……」

久秀「ヤリ口としてはエヴァよりいいわよね。分かりやすくてシンプル。」

想「悠くんはどう思います?」

悠「正直敵の動きが妙すぎて判断しにくいっすね。大江戸学園を狙ってるって感じでもなさそうだし、動きがゲリラ的すぎる。」

灯「何を考えているのか分からないのが風魔ですから」

摩耶「それに関しては悠くんも同じだよ」

悠「摩耶君?」

摩耶「というか、全部布石で狙いは悠くんってオチじゃない?」

悠「……いやいや」

摩耶「だって、その風魔ってひとは悠くんを狙ってわざわざここに来たんでしょ?」

雲山「だが、それなら木偶人形は何のために?」

摩耶「んー……それは案外風魔とは関係ないとか」

灯「関係ない?」

摩耶「もともと天が木偶人形を作ってたんでしょ?だったら、まだ天が大江戸学園に潜伏してるって可能性もあるんじゃない?もしくは天が木偶人形の何かを調整するために風魔を動かしてるとか」

灯「なるほど」

雲山「大いにあり得るな」

悠「摩耶一段と冴えてるな」

摩耶「あはは。」

久秀「ただ、何にしてもそんな感じだとこちらからは施設を虱潰しにしていくしかないわね。」

摩耶「悠くんを囮……直接対決避けるのが一番だと思う」

悠「今、囮って言いました?」

摩耶「いってますん」

寅「いっただろ」
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