ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました

ー大江戸学園・食堂ー

新「うんと……どうしようかな…」

何かぶつぶついってる新。

悠「あー?どしたよ?なんでお前が頭を抱えてるんだ」

新「いや、あの、金ちゃんが困ってるなぁ~と思って」

朱金「わざわざいわれなくっても困ってるよ。いっそ、また屋敷につっこんで…」

「遠山さん。調査情報の漏洩は厳罰ですよ?」

朱金「お、逢岡…」

顔を上げるとトレイを持った逢岡さんが立っていた。

想「こんな公の場所でうかつですよ。遠山さん。」

朱金「す、すまん……」

想「ふふ、気を付けてください、どこに耳があるかわからないんですから」

新「想ちゃんはお昼これから?」

想「あ、ごめんなさい。奉行所のメンバーと済ませたところなんですよ」

新「そっか、残念~」

想「徳田さん」

新「な~に?」

想「あまり首を突っ込んで無茶をしすぎないようにして下さい?」

新「ふえ?」

悠「ひょっとしなくてもこないだの夜の騒ぎのことしってる?」

想「もちろん。私も南町の奉行ですから」

朱金「俺が協力してくれって頼んじまったんだよ」

新「あたしも手伝いたいっていっちゃったし」

想「それは構わないのですが、徳田さんはあくまで一般生徒です。お互いにちゃんと線だけは引いておいてくださいね?」

逢岡さんの言葉は穏やかだが重みのある調子で二人に釘を刺した。

朱金「分かった。」

さすがの朱金も殊勝に従う。

新「大丈夫だよ、金ちゃんの仕事もお手伝いするし、想ちゃんの仕事もお手伝いするから♪」

こっちの方は友達への甘えかもとからの性格か、どこ吹く風だ。

想「……徳田さん」

ため息混じりにつぶやきを漏らす逢岡さんだった。









ー大江戸学園・露天街ー

由真「小鳥遊!あんた、なんでついてくるのよ?」

悠「帰る方向が一緒なんだからしょうがないだろ。だって隣だぞ?」

由真「もぉ!」

放課後、たまたま帰宅が同じになった由真は口を尖らせて不条理な怒りをおれにぶつけてきた。

悠「なんなんですかぁ、いつまでも目の敵にしやがって」

由真「そっちこそどうしてこうわたしの視界に入ってくるのよ」

悠「なんという高慢ないいざま。結花さんや唯ちゃをは認めてくれたってのに…」

由真「結花姉や唯は関係ないでしょ。わたしはわたし!」

悠「ふん、ほんとかわいくない奴だなぁ」

由真「小鳥遊なんかに褒めてもらえなくたって、褒めてくれるお客さんはたくさんいるんだから」

悠「それは他の連中の前では猫をかぶってるからだろ。この憎たらしい正体をしればみんなおれと同じようにうんざりするに決まってる」

由真「何ですって、失礼な!」

「すみませ~ん」

悠「あー?」

由真「なに?」
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