ｰ大江戸学園:長屋ｰ

寅「ん……あー……ここ数日のトレーニングははさすがにハードだな」

「おい」
こんこん、こんこん

寅「あ?誰だ」
ガラッ

雷太郎「俺だ」
風太郎「俺だ」

寅「なんだ……風雷コンビか。って、久しぶりだな」

雷太郎「ようやく」

風太郎「落ち着いて」

「「な」」

寅「落ち着いた?」

魁人「やあ、お久しぶり」

寅「魁人……アンタ、どっか行ってたんじゃないのか」

魁人「昨日帰って来たところなんだ。」

寅「それで……なんで俺のところに?」

雷太郎「お前雲山さんの世話になってるだろ」

寅「……まぁな」

風太郎「それでせっかくだから俺たちもと思ってな」

魁人「私たちも百目鬼一門だからね」

寅「そういえば……そうだな」

魁人「どうです?寅君も百目鬼一門に入っては?」

寅「遠慮しておく。俺は俺だ」

魁人「そうですか。寅と鬼なんてすばらしい組み合わせだと思ったんですか」

雷太郎「そうですか?」

魁人「ほら、鬼って言えば虎がらの腰巻じゃないですか」

風太郎「あぁ、確かに」

寅「それに納得されるとイラッとするんだが」

風太郎「ふふっ」

雷太郎「ははっ」

寅「テメーら…」

魁人「ところで雲山さんは?」

寅「うちにいるわけねーだろ。毎日、堀近くで待ち合わせしてるよ」

魁人「では行きましょうか」




ｰ大江戸城:堀近くｰ

雲山「……おや?」
ぐしょぐしょ

魁人「雲山さん!」

雷太郎「どうして」

風太郎「ズブ抜れ?」

寅「そいつ、本土から毎日泳いで此処まで来てるんだよ」

魁人「は?!いや、泳いでって……」

雲山「朝は船が出ていないだろ?だから、準備運動がてらに泳いでるんです」

雷太郎「……いや、泳げる」

風太郎「……距離じゃない」

雲山「大丈夫ですよ。多少海流が危ないところも有りますが突破できます」

魁人「迂回とかじゃなくて突破……」

寅「とりあえず、コイツと泳ぎにはいかない。絶対にだ」

雲山「レジャーのときとトレーニングのときは区別しますよ?」

寅「ホントかよ」

雲山「ただ、親父殿が一緒ならそれはもうレジャーもサバイバルも鍛錬も同じですけどね…」

寅「諸悪の根源はそっちか…」