ｰ大江戸学園:とある施設前ｰ

道玄「ここか」

悠「ここだ」

久秀「ここね」

想「みなさん、来て頂けましたか」

悠「はい、この通り専門家の九頭竜道玄……」

道玄「このたびは我が愚息がとんだ粗相をし、申し訳ない。」
バッ!

想「そんな、頭をあげてください」

悠「そうだぜ。おっさんが悪いってわけじゃない。気にすんなよ」
バシバシっ

道玄「本当に申し訳ない」
ゴッ!
悠「がふっ!」

久秀「前から分かってたけど……悠ってバカでしょ?」

悠「おっぉぉっ、首が捥げたかと……思った……」

想「えーと、それでは中に入ろうと思うのですが……同心の皆さん準備を」

道玄「否、儂がいこう」

想「ですが…」

道玄「なに、貴殿らの邪魔はせん。」

悠「おっんに行かせてやってくれ。そうすれば少しは納得するだろうし」

想「わかりました。では、九頭竜さんを先頭に私と悠君」

久秀「久秀もね」

想「はい、私たちが続きます。同心の皆さんは合図したら入ってきてください。」

「「「はっ!」」」


～～


道玄「…………」

悠「おっさん、どうだ?」

道玄「……うむ、生命の気配はない。無人のようだ」

想「分かるのですか?」

道玄「灰龍の能力は地殻レーダーの役割もできる。仮にこの建物の中に鼠一匹でもいればその動きで探知できる」

久秀「灰龍っていうのは、あの水晶振動(クリスタルクォーツ)の技術のことよね?九頭竜殿も使えるなら弱点も知ってるの?」

道玄「本来なれば、灰龍は地に足をつけて発する龍剄。だが、禍はそれに加えて翠龍を融している。残念ながら現段階ではコレといった対策はない」

悠「聞きたくなかったわぁ…。」

想「みなさん、その話しも大事ですが今は……」

道玄「そうだったな。この施設を調べていこう」

悠「しかし、ごちゃごちゃしてるな。お、こっちに扉がある」

久秀「あら、これは……」

悠「よいしょっ」
ガチャ
木偶人形【……】

悠「どわっ?!」

道玄「ふんっ!」

ドアを開けた瞬間、木偶人形が突然現れたが道玄の弾針剄が見事に頭部を破壊する。

悠「……お、おーう」

道玄「油断するな、小僧」

想「やはり、ここでコレを作っていたようですね。」

木偶人形【……】
ギギッ

久秀「あら、頑丈ね。頭部を破壊した程度じゃフツーに動くのね。」

道玄「人間とは違うか」
ドンッ!
バキンっ!!

悠「おいおい、完全に壊すなよ。調べられないだろ」

想「そうでもないみたいですよ」

悠「へ?」

木偶人形【……】
木偶人形【……】
木偶人形【……】

道玄「数はあり余っているようだ」