ｰ新宿:茶屋小鳥遊堂ｰ

久秀「ハーイ」

悠「あぁ、なんだ久秀か。」

久秀「なんだとはご挨拶ね、なんだとは」

悠「深い意味はない」

久秀「何も考えてなく浅はかってことね」

悠「すげぇな。ひとつの会話だけでここまで言われるんだから」

久秀「言われたくなかったら久秀の好む言動行動を取りなさい」

悠「無理無理」

久秀「やはり浅はか」

悠「……」

久秀「なに?」

悠「しばらく顔見せてなかったけど何かしてたのか?」

久秀「祭典用とか夜に打ち上げる花火の注文を受けたから、その準備よ」

悠「なんかあるのか?」

久秀「……」

悠「え?」

久秀「それ、本気でいってるの?」

悠「本気と書いてマジと読むアトモスフィア(雰囲気)なんだが。」

久秀「ああそう…。ならそれでいいんじゃない。」

悠「説明してくれない感じか」

久秀「説明しないアトモスフィア(雰囲気)よ」

悠「……」

想「すいません」

悠「女神降臨!」

想「は、はい?」

悠「こっちのことです。どうかしましたか?お茶にしますか?」

想「あ、いえ、実は別の用件があってきたんです」

悠「別の?」

想「はい。少しお時間よろしいですか?」

久秀「定休日だから良いわよ」

悠「定休日じゃねーよ!」

久秀「あぁ、お客がいないから定休日かと思ったわ」

悠「…………」

想「え、えーと、やっぱりお話しがてらにお茶もいただきましょうか。」

久秀「店主、お茶ひとつよ」

悠「すいません、すいません」

想「いえ、大丈夫ですから!」

久秀「それで?話って何?」

想「はい、実はエヴァの一件でいろんな施設もプログラムを調べ直したりしているのですが」

久秀「あぁ、その件ね。私にも声がかかってたわ」

悠「それで忙しかったのか」

久秀「いいえ、その件は断ったから」

悠「お前なぁ…」

久秀「言ったでしょ、花火の準備手忙しいの。」

想「そうですね。大江戸学園の火薬シェアの九割は松永んがになっていますからね。」

久秀「ふふっ、もっといっていいわよ」

悠「……それはおいといて、エヴァの後始末がどうしたんです?」

想「はい、その中でいくつか妙な施設が見つかりまして」

久秀「妙な?」

想「剣魂とは違うカラクリ人形を覚えてますか?」

悠「あぁ、あの気色悪い木偶人形。天と禍が使ってた……」

想「どうやらアレの製造施設的な物のようなんですよ」

悠「そんなもんまで作ってたのか…」

久秀「まぁ、アレだけの数をイチイチ運んでるわけはないからね。どこかで作っていたのが妥当でしょう」