ｰ新宿:茶屋小鳥遊堂ｰ

寅「……」

悠「……」

雲山「寅君、少しいいかな?」

寅「なんだぁ?」

雲山「どうだろう。少しだけ話を聞いてくれないか?」

寅「……雲山さんよぉ。アンタの父親さんには正直世話になってるからよぉ。絡みたくねぇんだけど……この件に関しては横入りしねーでもらえねぇかな?」

雲山「キミの気持はわかる」

寅「そうか。そりゃ有り難い。アンタは俺と違って人間出来てそうだしなぁ」

悠「……え、寅なんか喋り方違くない?」

左近「あれは……かなり頭に来てる系ですね」

吉音「えへへ、もっとたべるぅ～」

神姫「……私としてはホントいい加減にしてほしい。めちゃくちゃ太股掴まれてるし」

弩躬「そいつは羨ましい」

神姫「……」
ヒュッ……
弩躬「わっ!」

パァン!
悠「ぎゃあっ!」

弩躬「ははっ、さすが神姫のお嬢さん。ほぼノーモーションで龍剄を撃つんだから」

悠「お、おのれぇ…」

雲山「寅君。どうだろう。もう少し、もう少しだけ悠君との喧嘩を待ってくれないか?」

寅「待てねぇなぁ」

悠「その前にノックアウト寸前ですおれ……」

弩躬「平気平気」

悠「お前なぁ～!」

雲山「代わりと言っては何だが私と灯がキミのコーチになる」

寅「なに?」

雲山「鬼と猿の二代目だが、特に灯はキミの力になれる。」

寅「…………」

灯「圧倒することはできなくても、変則的な動きに対してのレクチャーとかはできますよ。」

雲山「私も鬼の体技を教えられる。どうだろうか?」

寅「……いいだろう。その話し乗った」

雲山「ありがとう。」

寅「ただし、あくまで少しの間だけだ。俺の判断でもういいと思った、そのときは……」

雲山「キミの判断に任そう」

寅「ふんっ。乗りかかった船だ。大江戸学園の案内は俺がしてやる。」

雲山「助かるよ」

灯「ありがとう。」

左近「じゃあ、話しも付いたみたいなんで……とりあえず、大慌てで皆さんの分の制服を仕立てに行きますか」

雲山「よろしく頼む」

灯「じゃあ、悠君また。」

寅「ふんっ……」

悠「…………おれの事はおいてきぼりで話し勧めちゃうんだもんな」

弩躬「完全にトラチーが主役だったな」

吉音「とらやのよーかんー、しゅーまいーむにゃむにゃ……」

神姫「起きてても寝てても食べてばっかりね。」
ぷにぷに
吉音「うにゃ～…」

悠「はぁ……なんだろう。隣人に鬼と猿と鳥が住むと思ったら気が重い」

弩躬「安心しろよ。狙撃はしないから」

悠「おれに手出してみろ。寅が怒るぞ!」

弩躬「それ……どーなんだ。」

神姫「愚かだわ」