ｰ新宿:茶屋小鳥遊堂ｰ

男子生徒A「おい、ちょっといいか?」

悠「お?はい、いらっしゃいませ。」

男子生徒A「アンタが小鳥遊悠さんかい?」

悠「そうだけど」

男子生徒A「茶屋の店主なんだよな。」

悠「そうだよ」

男子生徒A「そうかそうか……。死ねー!」
ブンッ!
悠「おぅ?!」
ドガッ!
男子生徒A「ぐぁぁっ!」

悠「あー、びっくりした……。」

寅「その割には正確に腹を蹴ったな」

雷太郎「なんだ?」

風太郎「どこで」

雷太郎「ああいうのを」

風太郎「引っかけてくるんだ」

「「お前は?」」

悠「知らん。知らん。身に覚えがない!」

灯「……多分、風魔君です」

悠「あぁん?!」

男子生徒A「ぐっ……畜生。おう、オメーラもやれ!」

「「「おう!」」」

悠「げっ、いっぱいいる。店の中で暴れさせるな!おい、お前らも追いだしてくれ」

雷太郎「メンドイ」
風太郎「メンドイ」

悠「うおぉぉおおおーい!」

雲山「私が行こう」

悠「お?」

雲山「おい、アンタら」

男子生徒A「あぁ……?!」

男子生徒B「で、でかい…」

雲山「なんでこの人を襲う?」

男子生徒A「へっ、なんでかなぁ」

雲山「……話したくないな話さなくていい。ひとりだけ話せる状態でいればいいのだからな。」

男子生徒A「あぁん?!なんだと!」

雲山「さぁ、死ぬつもりでかかって来い」

男子生徒A「ちっ、カッコつけやがってやっちまえ!」

「「「おぅっ!」」」

雲山「ふんっ!」
ガシッ!
男子生徒B「うぁっ?!」

雲山「おっりゃぁぁぁぁ!」
ブンッ!
男子生徒B「ぎゃああぁぁぁ!」
男子生徒C「うわああぁっ!」
男子生徒D「なんだあぁぁ!!」

悠「おいおい、ひと投げで三人巻き込み倒したぞ…」

雷太郎「人間の弾丸だなありゃ」

風太郎「むしろ、ひとを武器にしてる」

寅「なんて力技だ」

灯「雲山君は力技だけじゃなく、ちゃんとした技もあるんですよ。まぁただ……」

雲山「さぁ、最後だな」

男子生徒A「こ、こんなの聞いてねーぞ!う、うおおおっ!」

破れかぶれに雲山に殴りかかる男子生徒だった。大振りの拳が巨体の胸に当たる。しかし、びくともしない。

雲山は殴りかかって来た男の両腕を掴むと真下に引いた、ガキッと不気味な音を立てて男子生徒の両腕の関節が外れた。

さらに雲山は平手で棒立ちの男子生徒の頬をぶった、その一撃の衝撃に身体が反回転した。意識も飛んでいるのだろう両腕が外れているのに悲鳴も聞こえない。

だが、トドメとばかりに雲山は後ろをむいた男の襟首を掴むとそのまま振りかぶって地面へと叩きつけた。

悠「…………」

灯「ひとつの技が基本的に致死的威力があるから危ないんだよね。」

寅「両腕を力づくで外して、顔面に平手で反回転、ガード不能な状態から一本吊りで叩き付けって……エゲツねぇな。」

悠「いや、アレ、死んでね?!」