ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました弐幕

ー大江戸学園:日本橋付近ー

弩躬「ふーん、いやぁ、いいねぇ。この情緒あふれる雰囲気。」

寅「観光気分かよ」

左近「まぁ、観光っちゃ観光でしょうね」

弩躬「それに凄いね。この学園の制服着たらいっきに溶け込めた。よっぽど私服が目立ってたってわかっちゃうな。」

左近「まぁ、この学園で私服って言ったらフツーは制服ですからねぇ。寅さんみたいに超アレンジ効かせてる人もいますけど」

寅「普通に動きづれぇんだよ。」

左近「そうですか?私なんてふつーにこの服でいいですけどねぇ」

寅「……それは置いといて、服屋でもないお前がなんですぐにぴったりのサイズの服を用意できるのかが気になってんだけど」

弩躬「確かにすぐ手配してくれたよな」

左近「まぁ、私も色々とね。」

弩躬「まぁいいや。この服ってそこそこすんの?」

左近「普通の学生服と同じぐらいですよ。あ、お金はいつでも…」

弩躬「パワハラってさ」

左近「はい?」

弩躬「パワハラってあるじゃん。パワーハラスメント」

寅「職権などのパワーを背景にして、本来業務の適正な範囲を超えて、継続的に人格や尊厳を侵害する言動を行い、就労者の働く環境を悪化させる、あるいは雇用不安を与える行為のパワハラか?」

弩躬「そうそう。詳しいね。」

左近「いきなり何を?」

弩躬「いやー、ほら、俺ってさ一応左近君の上司だよね。」

左近「え?」

弩躬「将来的に柏さんのAAAに所属するわけだけど……俺って上司だよね。」

左近「……」

弩躬「露骨なパワハラしてるけどいいかな」

左近「…………タダでいいですよ」

弩躬「ホントに?ありがとう」

寅「なんかしらねーけど、お前が完全に言いくるめられてるのは初めて見た」

左近「私も予想外ですよコレは…」

弩躬「その代わり何か困ったことがあったら相談に乗ってあげるから、さ。」

左近「頼みますよぉ…。それに正確にいったら私の上司になるのは光臣さんなんですら」

弩躬「あの人の下につくとか左近は大したタマだよ。俺なら速攻で別の……」

寅「なぁ」

左近「はい?」

弩躬「ん?」

寅「お前ら随分と親しいんだな」

左近「あー、親しいってほどでもないですけどね」

弩躬「そこそこ交流があるだけ」

寅「そうか……じゃあ、もうひとつ」

弩躬「なに?」

寅「アンタ、相当腕が立つよな」

弩躬「んー……まぁね。」

左近「ちょっと寅さん?」

寅「悠と喧嘩するまえによぉ。もっともっともっと、俺は強くならなきゃいけねーんだよな。相手、してくれねーか?」

弩躬「んー……ごめん、今は無理」

寅「……は?」

弩躬「ちょっと別件があってね。今は無理。」

左近「ほっ…」

寅「なんじゃそりゃ…。」
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