ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました弐幕

ー新宿:茶屋小鳥遊堂ー

悠「ふぅー……ふぅー……」

弩躬「やってるー?」

悠「ふぅー……はーい、いらっしゃいませー。って、なんだ弩躬か」

弩躬「なんだって御挨拶だなぁ。お客さんだぞ」

悠「ああそう……って、アレ弩躬?」

弩躬「いや、なに、俺だよ」

悠「大江戸学園にまで来るなんてどうした」

弩躬「んー、お茶飲みに来たんだよ。ここ茶屋だろ?ゲイバーじゃないだろ」

悠「なんでゲイバーなんだよ!」

弩躬「入るなり、ムフームフーと肩で息しながら汗だくの男が出てくるら」

悠「ゲイバーってそんなところなのか?」

弩躬「入ったことないから知らないな」

悠「おれもねーよ」

弩躬「それでお客さんなんだけど」

悠「んんっ、いらっしゃいませーようこそー」

弩躬「……」

悠「なんでそんな悲しそうな眼をしてんだテメェ」

弩躬「いや……なんでもない…」

悠「明らかにテンション落ちてんだろ」

弩躬「じゃあ、汗だくの男に妙な声色で「いらっしゃいませーようこそー」って言われたらどう思う?」

悠「気分が悪い」

弩躬「俺もまんまそういう気分なんだ」

悠「……」

弩躬「……」

悠「団子のセットでいいか」

弩躬「いいよ。しっかし、空いてるな」

悠「お前の貸し切りだ」

弩躬「客が居ないという」

悠「……」

弩躬「それに引き換え前の店すごくね?行列できてるじゃん」

悠「泣くぞ?見せてやろうか?大の男がマジ泣きする姿を」

弩躬「やめてくれ。見たくない。」

悠「だろ。ほらよ」

弩躬「どうも、ズズッ」

悠「で、何しに来たんだ?」

弩躬「暇つぶしだよ。」

悠「暇つぶしかよ。」

弩躬「そ、暇つぶしに来たの。今さー、何か十神将の面々がバラけてるだろ?」

悠「え、バラけてんの?」

弩躬「知らなかったのか?」

悠「知らないも何も最近神姫ぐらいしか交流がない。」

弩躬「マジか。」

悠「マジだ」

弩躬「そうかぁ。あ、でも、伊万里はもう退院しただろ」

悠「……マジで?」

弩躬「お前ホント何も知らないな…」

悠「いやー、だって顔出しに来ないし」

弩躬「悠の顔見たら殴りたくなるからじゃないか?」

悠「あの伊万里って奴がおれに対して恨みをもってる理由が分からん」

弩躬「それこそ俺も知らないけど、なんかしたんじゃないのか?」

悠「してないはずなんだけどなぁ…」

弩躬「ズズ。なんかしょっぱいものないか?」

悠「せんべいか餅なら焼けるが?」

弩躬「それじゃあ餅で頼むわ」
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