ｰ大江戸学園:武家屋敷ｰ

用心棒A「ぎゃああぁぁ!」

寅「……」

役人生徒「な、なんだ、なんなんだお前らは!」

左近「奉行所のもんですよ。いけませんねぇ……役人とも有ろう方々がいかがわしい商売をするだなんてねぇ。」

役人生徒「なぜそれを…!!」

寅「自分で自白(ゲロ)ってんじゃねーか」

役人生徒「ぐぬぬっ!証拠がないだろう!」

左近「大丈夫ですよ。今から探しますから」

役人生徒「な、なにぃ?!」

左近「ある程度の情報は集まってるんでね。あとはゴリ押しでって感じです。」

役人生徒「貴様ら……それでも奉行所の人間か!」

左近「あぁ、こっちの人は奉行所の人間じゃないんで。」

寅「……」

左近「形としてはアレですよ。たまたまこの屋敷の前を通りかかったところ喧嘩しているような騒ぎを見つけて、たまたま推しかけた矢先、たまたま不正の証拠を見つけたって流れです」

寅「適当だな」

左近「あっはっは。正当な手段をとるより楽ですからねぇ。それじゃあ……好きなだけ抵抗してください。どうなっても知りませんけどねぇ」

役人生徒「ぐうぅぅ……!」




ｰ大江戸学園:飯屋ｰ

左近「いやぁ、寅さん助かりましたよ。用心棒がのされてあっさり根をあげてくれましたし。」

寅「つまらん」

左近「えー、だけど適当な相手は見つかるでしょう?」

寅「あんな三下相手じゃ意味がない」

左近「寅さん並に強い用心棒がごろごろいるとは思いませんけどねぇ」

寅「……」

左近「まぁまぁ、そう難しい顔しないで好きなもの食べてくださいよ。奢りますから」

寅「……すこし気になってることがある」

左近「はい?」

寅「気になるというよりは……アレだな。お前、ちょっと相手しろよ」

左近「ええと?そいつはどういう意味ですかい?」

寅「よくよく考えたら俺はお前と喧嘩したことないだろ」

左近「ないですねぇ。っていうか、私はしたくないですねぇ」

寅「飯食った後でいいな」

左近「あのぉ、したくないっていったの聞こえましたか?」

寅「聞こえねぇな」

左近「寅さーん、勘弁してくださいよォ。私じゃ相手にならないですって」

寅「軍略も腕っぷしも立つって言うのがお前の触れ込みだろ」

左近「ケースバイケースですがね」

寅「だったらそれ相応の相手を見つけろ」

左近「難しい相談だなぁ」

寅「元々はそういう話しでお前に相談したんだろうが」

左近「ですけどねぇ……。もう普通に小鳥遊さんと決着付けたらダメなんですかい?」

寅「まだそういう気配じゃない」

左近「気配……ですかい?」

寅「あぁ、そういう日が来るときは気配でわかるんだよ」