ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました弐幕

ー大江戸学園:蕎麦屋ー

寅「ずぞぞ……確かに美味いな。」

左近「でしょう。けど……」

寅「もう一枚くれ」

店員「はーい。少々おまちください」

左近「はは……五枚目なんですけど。」

寅「おい、あと天ぷらも追加だ」

店員「はいよー」

左近「……足りるかなぁ」

寅「ちなみに俺は一銭ももってねーからな」

左近「堂々といってくれますねぇ」

寅「トレーニング中に声をかけたのはお前だ」

左近「そうですけどねぇ」

寅「諦めろ」

左近「納得しかねるなぁ…」

光姫「おや、聞き覚えのある声がしたと思ったら」

左近「これはこれは、水都のお嬢さまとお付きの」

由佳里「こんにちは~」

寅「うっす」

光姫「昼食か?」

左近「ええ、まぁ…」

寅「コイツが金を使いたくて仕方ないと懇願するんでな。奢られてやってる」

左近「どんなキャラですか私ゃ」

光姫「かっかっか、気前がいいのぅ」

左近「いやぁ…はは。」

寅「ふぅ、ごっそさん」

左近「あぁ、満足してくれましたかい」

寅「腹八分目にしとかないとトレーニングにつっかえるからな」

左近「ってことは、普通にホントはまだ食べれるんすね…」

由佳里「トレーニングですかぁ。私たちも食べ過ぎたなぁって思ったときはお堀の周りとか走ってますよ~」

左近「この人、ついさっきまでずっーっと走ってましたけどね」

寅「ずーっとじゃねぇ、ほんの数時間だ」

光姫「気合がはいっとるのぅ」

寅「今回はひとつの区切りだ。やれることは全てやる」

左近「小鳥遊さんが少し不憫に思えてきましたよ…」

寅「奴が不憫?頭大丈夫かお前?」

左近「この言われよう…」

由佳里「せっかく騒動が終わったのに……」

寅「騒動が終わったからようやく決着をつけられるんだ」

由佳里「そういうものですかねぇ……。」

左近「私はまぁ、ありっちゃありなんですけどね」

光姫「なぜじゃ?」

左近「そりゃ、賭けでもりあがれますからねぇ」

寅「俺に全財産かけとけ」

左近「さすがにそこまでの大博打をかける勇気はないですって…」

光姫「喧嘩も賭けもここまで堂々とするといっていいものなのかのぉ」

左近「そこは大江戸学園ですから。喧嘩は祭りの華ですよ」

寅「祭りじゃねぇだろ」

光姫「祭りと言えばもうすこししたらアレじゃな」

由佳里「アレですねぇ~」

左近「アレ?」

光姫「祭りじゃよ祭り」

寅「……喧嘩祭りか?」

光姫「結局喧嘩祭りになっとるぞ」

寅「ふんっ、俺は悠と闘れたらそれでいいんだよ」
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