ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました弐幕

ー大江戸学園:大江戸城堀近くー

寅「ふっ、ふっ…。」
タッタッタッタッ

左近「お、来た来た。おーい、寅さーん。」

寅「……」
タッタッタッタッ

左近「ちょ、ちょっ、ちょい!待ってくださいよ!」

寅「はぁはぁ……なんだよ。」

左近「いやぁ、お宅にお邪魔したら居なかったんでトレーニング中かと思いましてね」

寅「見たら……ふぅ。わかるだろ。トレーニング中だ。何のようだ」

左近「いや、別にこれといって急ぎの用はないんですけどね」

寅「チッ」

左近「そんな舌打ちしないでくださいよ。あ、飯でも食いにいきません?」

寅「ふざけてんのか」

左近「ふざけてませんよ。心配してるんですって」

寅「何の心配だ」

左近「いやほら、寅さんってひとりだと無茶し過ぎるじゃあーないですかぁ。だからこうして、私が適度なストッパーになりにきたんですよぉ」

寅「……お前に心配されるとはな」

左近「あはは」

寅「なにか裏がありそうで気分が悪い」

左近「あれれ、ちょっと酷くないですかい?!」

寅「妖しいんだよ。お前」

左近「そんなことないですよぉ。世のため人のため、お金のために誠実に働くのが……」

寅「ふっ、ふっ、しぃっ!」
タッタッタッタッ

左近「あー、ちょっとちょっと!待ってくださいよ!急に走りださないでくださいって!私しゃ身体弱いんですから」

寅「そのドデカイ刀を背負って何いってる」

左近「あ、これおニューなんですよ。色々と銭が入りましてね」

寅「聞いてねぇよ」

左近「あはは。それよりもう昼時なんですから蕎麦でもたぐりにいきましょうや」

寅「……はぁ、お前の奢りだからな」

左近「えっ……まぁ、いいですけどね。」




ー大江戸学園:蕎麦屋ー

左近「ここ、ここ、ここの蕎麦が美味いんですよ。」

寅「高いもんを三つぐらい選ぶかな」

左近「容赦ないですねぇ」

寅「金が入ったんだろ」

左近「入ったには入りましたけどぉ…。ほら、私も色々と入りようがありましてねぇ」

寅「嘘つけ」

左近「えっ?!即答ですかい?」

寅「お前が金を使うことなんて言えばロクでもないコトしかないだろ。」

左近「えー……」

寅「じゃあ、聞くが何に使った」

左近「ええと、遠山奉行様のオススメのお店で楽しんだり」

寅「既にロクでもねーな」

左近「いゃぁ、ホントいいお店ですよ。綺麗どころはしっかり揃ってて飯も美味い」

寅「なんていうかお前は頭が切れるのに典型的に残念だな」

左近「軍略も腕っぷしもある男だなんて褒めすぎですよ」

寅「チッ」

左近「今、舌打ちしませんでしたかい?」

寅「したよ」

左近「はは…。寅さんはホントストレートだ」
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