ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました弐幕
エヴァの騒動に決着がついて数日間、学園には変革の嵐が吹き荒れた。
校長は瑞野、飛鳥と立て続けに更送され、三度目の正直とばかりに推されたのは南国先生だった。
南国先生は大いに渋ったが、他に人材もなく、もはや定番の暫定ということで受けることになったらしい。
さすがに本土の方からも補充人員が来るということで、それまでのことになるかもしれないが。
そして将軍の方は……
ー大江戸学園:城前広場ー
南国「知っての通り、将軍徳河吉彦は救出れた。ただし衰弱が激しく、とても今すぐには公務が行えるような状態ではない。よって新しい将軍を任命し、その執行部に権限を移譲することにする。これは徳河吉彦の意思も確認したうえでの決定である。」
南国校長の言葉に、城前の広場に集まった全校生徒がざわめく。
ごたごたの中、書類の上では詠美が将軍ということになっていた。
だがそれは無投票の規定外の就任だった。
しかもそれを決めたのがあのエヴァであったということもあり、詠美は騒ぎの後ですぐに身を引いていた。
悠「やっぱりざわめくか」
寅「そりゃそうだろ。」
南国「幕府は組織を見直し、徳河吉音、徳河詠美の両名を同格の将軍とした二頭体制に決議については、他の執行部役員との合議制を取ることとする。」
宣言がなされると、ざわめきは大きなどよめきへと変わった。
南国校長はそれが収まるのを待って、ゆっくりと次の言葉を紡いだ。
悠「そういや、雷と風太郎はどした?」
寅「知らん。」
南国「呼称は、吉音を左将軍、詠美を右将軍とする。また執行部役員の選抜は状況が収まり次第、追って執り行うことを付け加えておく。では、両将軍、就任宣言をお願いする。」
南国校長に促され、代わって吉音と詠美が演壇の前に進み出た。
詠美「右将軍を拝命しました、徳河詠美です」
吉音「左将軍の徳河吉音ですっ!」
詠美「私は……前将軍の失踪以来続いた不祥事を収めるどころか、学園中を巻き込む大事件に発展させてしまいました。そんな私をまだ支持していただける方が多くいることに深く感謝します」
吉音「最初は不安でいっぱいだったけど、みんなに応援してもらってたくさんの勇気をもらえました!今度はみんなに、恩返しをしていきたいと思います!」
詠美「重なる騒動の中、さまざまな立場、考え方の人がいることを知り、自らの視野の狭さに気づかされました。」
吉音「悪いことをしている人を見ていながら、なにもしないでいることは、悪いことをしているのと同じです。自分に出来ることがあるのなら、どんどんやっていかないと駄目だってことを教えてもらいました。」
詠美「彼の由比雪那さんが掲げていたこと、誰にでも平等に、才能を発揮する機会を与えること、彼女のとった手段は受容できませんが、理念は私たちも取り込んでいこうと思います」
吉音「貧乏でも、お腹が減っていても、やりたいことは思いっきりやれるようにしていきたいです!!」
銀次「堂々として立派じゃないの。二人とも身体を張った甲斐があったってもんだろ?」
光姫「ああ、そうじゃな」
十兵衛「しかしこの光景をこの目で見ることが出来るとは思わなかった。改めて礼をいおう」
銀次「いいってことよ。お嬢や柳宮にはこれまでいろいろと世話になった。そのちよっとしたお返しだ」
十兵衛「ん、私はお前に何かしてやったことがあったか?」
銀次「ふふん。何もしなかった礼さ。もちろん二人とも我が輩の正体はとっくに知っているんだろう?」
十兵衛「ああ。アメリカ合衆国よりの間者だろう」
光姫「水都の家に入ってきたときに調べせてもらった。こんなおかしなニンジャがおるわけないからの」
銀次「うむ、その通り。そこまで分かっていながら何故我が輩を放っておいた?我が輩もエヴァと同じ外敵ではないのか?」
十兵衛「お前は学園の不利益になるようなことはしなかっただろう?もし不穏な動きを見せていれば、容赦なく叩き切っていたさ」
校長は瑞野、飛鳥と立て続けに更送され、三度目の正直とばかりに推されたのは南国先生だった。
南国先生は大いに渋ったが、他に人材もなく、もはや定番の暫定ということで受けることになったらしい。
さすがに本土の方からも補充人員が来るということで、それまでのことになるかもしれないが。
そして将軍の方は……
ー大江戸学園:城前広場ー
南国「知っての通り、将軍徳河吉彦は救出れた。ただし衰弱が激しく、とても今すぐには公務が行えるような状態ではない。よって新しい将軍を任命し、その執行部に権限を移譲することにする。これは徳河吉彦の意思も確認したうえでの決定である。」
南国校長の言葉に、城前の広場に集まった全校生徒がざわめく。
ごたごたの中、書類の上では詠美が将軍ということになっていた。
だがそれは無投票の規定外の就任だった。
しかもそれを決めたのがあのエヴァであったということもあり、詠美は騒ぎの後ですぐに身を引いていた。
悠「やっぱりざわめくか」
寅「そりゃそうだろ。」
南国「幕府は組織を見直し、徳河吉音、徳河詠美の両名を同格の将軍とした二頭体制に決議については、他の執行部役員との合議制を取ることとする。」
宣言がなされると、ざわめきは大きなどよめきへと変わった。
南国校長はそれが収まるのを待って、ゆっくりと次の言葉を紡いだ。
悠「そういや、雷と風太郎はどした?」
寅「知らん。」
南国「呼称は、吉音を左将軍、詠美を右将軍とする。また執行部役員の選抜は状況が収まり次第、追って執り行うことを付け加えておく。では、両将軍、就任宣言をお願いする。」
南国校長に促され、代わって吉音と詠美が演壇の前に進み出た。
詠美「右将軍を拝命しました、徳河詠美です」
吉音「左将軍の徳河吉音ですっ!」
詠美「私は……前将軍の失踪以来続いた不祥事を収めるどころか、学園中を巻き込む大事件に発展させてしまいました。そんな私をまだ支持していただける方が多くいることに深く感謝します」
吉音「最初は不安でいっぱいだったけど、みんなに応援してもらってたくさんの勇気をもらえました!今度はみんなに、恩返しをしていきたいと思います!」
詠美「重なる騒動の中、さまざまな立場、考え方の人がいることを知り、自らの視野の狭さに気づかされました。」
吉音「悪いことをしている人を見ていながら、なにもしないでいることは、悪いことをしているのと同じです。自分に出来ることがあるのなら、どんどんやっていかないと駄目だってことを教えてもらいました。」
詠美「彼の由比雪那さんが掲げていたこと、誰にでも平等に、才能を発揮する機会を与えること、彼女のとった手段は受容できませんが、理念は私たちも取り込んでいこうと思います」
吉音「貧乏でも、お腹が減っていても、やりたいことは思いっきりやれるようにしていきたいです!!」
銀次「堂々として立派じゃないの。二人とも身体を張った甲斐があったってもんだろ?」
光姫「ああ、そうじゃな」
十兵衛「しかしこの光景をこの目で見ることが出来るとは思わなかった。改めて礼をいおう」
銀次「いいってことよ。お嬢や柳宮にはこれまでいろいろと世話になった。そのちよっとしたお返しだ」
十兵衛「ん、私はお前に何かしてやったことがあったか?」
銀次「ふふん。何もしなかった礼さ。もちろん二人とも我が輩の正体はとっくに知っているんだろう?」
十兵衛「ああ。アメリカ合衆国よりの間者だろう」
光姫「水都の家に入ってきたときに調べせてもらった。こんなおかしなニンジャがおるわけないからの」
銀次「うむ、その通り。そこまで分かっていながら何故我が輩を放っておいた?我が輩もエヴァと同じ外敵ではないのか?」
十兵衛「お前は学園の不利益になるようなことはしなかっただろう?もし不穏な動きを見せていれば、容赦なく叩き切っていたさ」