ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました弐幕

ー大江戸学園:ねずみ屋ー

悠「ここでようやく崇の話しか」

崇「……ふぅ。」

悠「いやいや、優雅に紅茶呑んでるんじゃないよ」

崇「俺は茶葉には疎いがいい香りだな」

悠「もしもーし、ボクの話聞こえてますかー?」

寅「そもそもアンタいつ来たんだ?」

崇「いつだったかな。」

本郷「ふっ」

「「「!?」」」

悠「い、居たのか…」

本郷「ふっ…。」

崇「そうだったな。」

ぽつりぽつりと崇は語り始めた。


~~



ー大江戸学園:船着き場ー

越後屋「はいはい、次の船が来るで~」

男子生徒A「旦那!」

越後屋「なんや?」

男子生徒A「それが……しらねぇ船が入ってきてます!」

越後屋「は?」

男子生徒A「それに乗ってる男が頼まれたから来たと……」

越後屋「頼まれたって……迷い舟?それとも政府のもんか?」

崇「残念ながらどっちでもない」

本郷「……」

越後屋「あらまぁ、エライイケメンやコト。せやけど、アンタら今は緊急事態なんや。とっとと帰り」

崇「そうか。ちなみに知っていたら答えてくれ。小鳥遊悠はどこにいる?」

越後屋「なんや……小鳥遊さんの知り合いなん?小鳥遊さんやったらあそこや」

越後屋は振り返って大江戸学園のどこからでも見えるスカイタワーを指さした。

崇「馬鹿と煙は高いところが好きだな」

本郷「ふっ」

崇「あそこにはどう行けばいい?」

越後屋「どう行けばって……」

左近「はいはい。其処へはあたしが案内しますよ」

越後屋「アンタ……町方連中は避難誘導しとるんとちゃうんか?」

左近「あははっ、大丈夫ですよ。今は火盗改めの方々もやってくれてますからねぇ。私がいなくても平気平気」

越後屋「適当な人やなぁ、ホンマ。今まで……どこにおったんかも分からへんし。」

崇「なんでもいい。案内できるならしろ。」

左近「任せてください。ただ、表通りは今避難のひと達で通れる隙間はないんで裏道からになりますんで」

崇「構わん。」

本郷「ふっ」

左近「それじゃあ、行きましょう。」

崇「それでどんな感じなんだ?」

左近「はい?」

崇「お前のことだ全貌は掴んでるんだろ」

左近「そんな買いかぶり過ぎですよ。ただまぁ、あと数時間もしないうちにこの島が爆破されるって状況ではありますね」

崇「大した状況だな」

左近「いやー、ホント怖い怖い」

崇「まぁ、それは平気だろ」

左近「へぇ、何か確信があるんですかい?」

崇「悠が出張っている。それだけで最悪の事態は回避される」

左近「ほほう。随分と買っていらっしゃる。小鳥遊さんのことを」

崇「アイツは紆余曲折するが何故かいつも確信を突く。そういう星に生まれてるやつなんだよ」

左近「なるほどねぇ」
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