ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました弐幕
ー大江戸学園:エレベーター前広場ー
頂上での決戦の最中、地上での激闘が終焉を迎えようとした最中のことだった……。
雷太郎「むっ?!」
風太郎「ん……」
久秀「なにっ……」
想「えっ……」
各々が戦っていたはずの敵が突然目の前から消えたのだ。
辺りを見回すと、魁人と伊万里の前に立ちふさがる者と、その周りに崩れ落ちている各々と敵対していた者たち……。
ドット柄フード「まいったねぇ。こりゃ……まさか全員、やられちまうとは。」
伊万里「次から次へと……フード集団が」
魁人「落ちつきなさい。伊万里。」
魁人達の側に他の全員が駆けつける。
雷太郎「魁人さん、身体は平気なのか?」
魁人「はい、何とか回復しました。私より、風太郎君に松永さんは……」
風太郎「はぁ……なに、平気だよ。」
久秀「片手は動かないけど問題は無いわ。むしろ、あなたの方が全然平気そうに見えないけどね。まだ休んでいたら?」
バブルボムの威力を、身を持って経験した久秀だからこそ、直撃を受けた魁人がどれだけ重症なのかを理解している。
これでも久秀なりの心配なのだろう。
魁人「ありがとう。だけど、これでも私は鬼の師を持つからね。このぐらいで引っ込んでいるわけにはいかないのさ」
優しげに微笑んだあと、ドット柄フードを睨む魁人。その気配は決して緩やかなものでは無い。刃を突き立てるように鋭い怒気だ。
ドット柄フード「おっと、待った。俺はコイツらの回収に来ただけだ。アンタらとやり合うつもりはない。」
王蟲(オーム)、泡翠(ラザー)、焔龍(ティアマット)の三人を担ぎあげる。人間三人を軽々と持ち上げられるだけでも相当だ……。
魁人「まさか、逃がすと思っていますか?」
「逃げるんとちゃうで。」
ドット柄フード「おっと、いらっしゃった。」
独特の関西弁と共に現れたのは車いすに乗った男だった。メタルが鋭く光る最新型の車いすは静かに車輪の音を響かせて魁人達の前に出る。
伊万里「今度はなんだ!」
魁人「九頭竜……天。」
伊万里「天………天?!コイツがか!!」
驚く伊万里を無視して天はのんびりといった。
天「猩猩、ええよ。帰ってその子ら治療したって」
猩猩「はい。天さん。」
伊万里「逃がすかっ!」
本当に行こうとする猩猩目がけ伊万里が駆ける。しかし、突如現れた黒い影が伊万里を遮った。
「はぁぁぁ!」
伊万里「邪魔だぁぁ!」
勢いの乗った伊万里の拳と黒い影の拳が激突する。
「はっはー!」
伊万里「ぐぅっ?!」
打ち負けたのは……伊万里。飛び退って現れた黒い影を睨む。猩猩の背中は既に遠い。
天「遅かったなぁ」
「すまん、すまん。フツーに迷ってしもたわ。なんせここ無茶苦茶広いジャン?」
頭にフード状のものは羽根のように左右に広く伸びている。上半身、下半身とも分厚い筋肉が覆っているのが衣服の上からでもハッキリと分かるほどだ……。
何より、正面から伊万里との打ち合いで勝っているのは控え目に見ても侮れない……。
天「さて、どないしょかなー。もう帰ってええ?」
伊万里「ふざけんなッ!」
魁人「逆に問いましょう。この状況で逃げ切れるとお思いですか?」
天「……」
羽根つきフード「やかましい羽虫どもが天。こっちが帰るっていってやってんだから邪魔すんじゃねーよ」
天「まぁ、ええんちゃうか?せっかくやから遊んだり。禍(まがつ)」
禍「はっはっ、こんな奴ら遊び相手にもならねーって」
禍と呼ばれた男はズルリとフードをずらした。
「「「!?」」」
その顔に、ほとんどの者が、特に魁人は驚いた。天と同じ顔……をしている。
久秀「落ちつきなさい。ただの双子でしょ」
魁人「いいえ……天に妹や弟はいますが双子ではありません。」
天「はっはっ、驚いた?ちなみに整形でもないで禍は……俺のクローンや」
想「クローン?そんな馬鹿な…」
天「馬鹿なも何も事実やで綺麗なおねーちゃん。」
禍「ま、双子の弟ってことでもええけどな。」
天「なんや、そしたらおにーちゃん呼ばれるんか俺?」
禍「きっしょ!そんな言い方するかよ!せめて兄ちゃんやろ」
「「あはははははっ!!」」
天(あまつ)者と禍(まがつ)者が笑う。全てを嘲笑うように……。
頂上での決戦の最中、地上での激闘が終焉を迎えようとした最中のことだった……。
雷太郎「むっ?!」
風太郎「ん……」
久秀「なにっ……」
想「えっ……」
各々が戦っていたはずの敵が突然目の前から消えたのだ。
辺りを見回すと、魁人と伊万里の前に立ちふさがる者と、その周りに崩れ落ちている各々と敵対していた者たち……。
ドット柄フード「まいったねぇ。こりゃ……まさか全員、やられちまうとは。」
伊万里「次から次へと……フード集団が」
魁人「落ちつきなさい。伊万里。」
魁人達の側に他の全員が駆けつける。
雷太郎「魁人さん、身体は平気なのか?」
魁人「はい、何とか回復しました。私より、風太郎君に松永さんは……」
風太郎「はぁ……なに、平気だよ。」
久秀「片手は動かないけど問題は無いわ。むしろ、あなたの方が全然平気そうに見えないけどね。まだ休んでいたら?」
バブルボムの威力を、身を持って経験した久秀だからこそ、直撃を受けた魁人がどれだけ重症なのかを理解している。
これでも久秀なりの心配なのだろう。
魁人「ありがとう。だけど、これでも私は鬼の師を持つからね。このぐらいで引っ込んでいるわけにはいかないのさ」
優しげに微笑んだあと、ドット柄フードを睨む魁人。その気配は決して緩やかなものでは無い。刃を突き立てるように鋭い怒気だ。
ドット柄フード「おっと、待った。俺はコイツらの回収に来ただけだ。アンタらとやり合うつもりはない。」
王蟲(オーム)、泡翠(ラザー)、焔龍(ティアマット)の三人を担ぎあげる。人間三人を軽々と持ち上げられるだけでも相当だ……。
魁人「まさか、逃がすと思っていますか?」
「逃げるんとちゃうで。」
ドット柄フード「おっと、いらっしゃった。」
独特の関西弁と共に現れたのは車いすに乗った男だった。メタルが鋭く光る最新型の車いすは静かに車輪の音を響かせて魁人達の前に出る。
伊万里「今度はなんだ!」
魁人「九頭竜……天。」
伊万里「天………天?!コイツがか!!」
驚く伊万里を無視して天はのんびりといった。
天「猩猩、ええよ。帰ってその子ら治療したって」
猩猩「はい。天さん。」
伊万里「逃がすかっ!」
本当に行こうとする猩猩目がけ伊万里が駆ける。しかし、突如現れた黒い影が伊万里を遮った。
「はぁぁぁ!」
伊万里「邪魔だぁぁ!」
勢いの乗った伊万里の拳と黒い影の拳が激突する。
「はっはー!」
伊万里「ぐぅっ?!」
打ち負けたのは……伊万里。飛び退って現れた黒い影を睨む。猩猩の背中は既に遠い。
天「遅かったなぁ」
「すまん、すまん。フツーに迷ってしもたわ。なんせここ無茶苦茶広いジャン?」
頭にフード状のものは羽根のように左右に広く伸びている。上半身、下半身とも分厚い筋肉が覆っているのが衣服の上からでもハッキリと分かるほどだ……。
何より、正面から伊万里との打ち合いで勝っているのは控え目に見ても侮れない……。
天「さて、どないしょかなー。もう帰ってええ?」
伊万里「ふざけんなッ!」
魁人「逆に問いましょう。この状況で逃げ切れるとお思いですか?」
天「……」
羽根つきフード「やかましい羽虫どもが天。こっちが帰るっていってやってんだから邪魔すんじゃねーよ」
天「まぁ、ええんちゃうか?せっかくやから遊んだり。禍(まがつ)」
禍「はっはっ、こんな奴ら遊び相手にもならねーって」
禍と呼ばれた男はズルリとフードをずらした。
「「「!?」」」
その顔に、ほとんどの者が、特に魁人は驚いた。天と同じ顔……をしている。
久秀「落ちつきなさい。ただの双子でしょ」
魁人「いいえ……天に妹や弟はいますが双子ではありません。」
天「はっはっ、驚いた?ちなみに整形でもないで禍は……俺のクローンや」
想「クローン?そんな馬鹿な…」
天「馬鹿なも何も事実やで綺麗なおねーちゃん。」
禍「ま、双子の弟ってことでもええけどな。」
天「なんや、そしたらおにーちゃん呼ばれるんか俺?」
禍「きっしょ!そんな言い方するかよ!せめて兄ちゃんやろ」
「「あはははははっ!!」」
天(あまつ)者と禍(まがつ)者が笑う。全てを嘲笑うように……。