ｰ新宿:茶屋小鳥遊堂ｰ

朱金「よぅ。悠、繁盛してっかい？」

悠「どうみたらそうみえる。」

朱金「なんでぇ相変わらず閑古鳥鳴いてんのか。」

悠「あ～か～ね～！」

朱金「そう怒るなよ冗談じゃんか」

新「あ、金ちゃんだ！」

朱金「よぅ。新、相変わらず元気そうだな。」

新「もっちろん！元気いっぱいだよ！」

悠「はぁ…っで、なんにする？」

朱金「しぶ～い茶とセンベイかなんかもらえっかな」

悠「はいはい。はなちゃん、とうがらし山盛りにかけてセンベイ焼いて」

はな「山盛りでいいんですが？」

悠「山盛りでいいんだよな？」

朱金「おう。山盛りの真っ赤っかにしてくんな」

悠「らしいぞ」

はな「はあ～い」

ﾄﾞﾊﾞｯﾄﾞﾊﾞｯ

朱金「お～気っ風がいいな。それにぃ～なかなか、むふふ」

悠「遊び人さん、遊び人さん。うちはそういうお店じゃありませんよ。」

朱金「んだよ。ちょっとくらいサービスしろよぉ。」

悠「うちのツケまとめて払って戴くか、真留にご連絡してもよろしいんですよ」

朱金「……」

悠「冗談だから睨むなよ。興奮しちゃうだろ。」

はな「お願いだから精神病院いってください」

悠「ともきには耳鼻科いけといわれるし、はなちゃんには精神病院いけといわれるし…おれ、愛されてるなぁ」

新「よ、愛され者！」

悠「やべぇ、無垢な瞳で言われてる分、心にピリピリ来る。」

はな「バカやってないでおせんべい焼けましたよ」

悠「喋りながらも仕事が出来るはなちゃんは偉いな～。」

はな「ふざけながらお茶を淹れてる悠さんはもっとちゃんと働いてくださいな～」

悠「はは…手厳しいぜ」

新「けど、悠は悠でちゃんと働いてるとこも有るよね。畑仕事とか」

はな「お店の仕事じゃなくそれ悠さんの趣味です」

悠「趣味と実益さね。」

朱金「なぁなぁ、悠～。お前毎日こんなにかわいい店員とにゃんにゃんしてるのか」

はな「にゃんにゃんはしてません。」

悠「猫の着ぐるみきてたりはするけどな。」

はな「してません…にゃ～」

悠「やだ、可愛い。」

朱金「貰っていくな。」

悠「はなちゃんはお持ち帰り禁止だ。」

朱金「自分ばっかずりぃぞ！」

悠「おれも我慢してんの！」

新「ね、ね、あたしは？あたしは？」

悠「餌代が払えないから無理。」

新「にゃにぃー！」

悠「あ、そうだ。朱金、どうでもいい話なんだけどさ」

朱金「おう。なんだ？」

悠「お前さ、戦闘仲裁機関っての知ってるか？」

朱金「あぁ？なんだそれ？天狗党の一派か？」

悠「いや…知らないならいい」

朱金「あーけど、逢岡ならなんか知ってかも知れねぇぞ」

悠「…逢岡さん？」

朱金「オレと違ってちゃんと街の細かい揉め事覚えてっからな。」

悠「……お前も覚えとけよ…」