ｰ大江戸学園:スカイツリー頂上ｰ

平和「な、なんでござるか、あれ!?」

唯「あれはキュウビ。ボクたち猫目がこの剣を使って封印をかけなきゃダメなんだけど、尻尾の数が多くて隙が作れないんだよ」

つばめ「なるほどぉ……」

信乃「……私たちがここに呼ばれた理由、分かりました」

平和「うん……だね」

悠「これでようやく数だけは揃った。どころか上回ったわけだ。平和、信乃、つばめ!受けよう、倒そうなんて考えるんじゃないぞ。それぞれ一本だけ尻尾を引きつけてくれればいい。とにかく逃げ切れ!」

エヴァ「ちょっと、ちょっとぉ。何をぐだぐだとくっちゃべってるんですかぁ?」

焦れたエヴァの不機嫌な声が響く。

平和「ごくり……わ、分かりました!信乃、つばめ……大江戸探偵団、一世一代の追いかけっこでござるよ!」

信乃「わ、分かりました……ぶ、ぶっちぎってやるです」

つばめ「あわわ……追いかけっこ苦手なんですけどぉ～」

由真「お願い。ほんのちょっとだけ時間を稼いで」

平和「大江戸探偵団に……お、お任せあれでござる!」

エヴァ「ああ、数ばっか増やして、めんどくさいわね!」

「お困りかな」

エヴァ「ああん?あら、お前は……」

白フード「どれ、しばしの余興、私も加勢しよう」

悠「お前は輝と一緒にいた!いや、天!」

白フード「……ふんっ!」

白フードは腰を切り肩にかけての連動する動き……龍剄気孔の動きだ。おれも同じように動く。

「「弾針剄!」」

おれと白フードの間で真空の弾丸がぶつかり破裂する。

エヴァ「狙いが決まってるらしいわね。なら、他の奴らはまとめて死ね。キュウビ!」

キュウビ『コォォーーンッ!』

吉音「来るよっ!」

おれは白フードへと猛進し、みんなはバラバラに散開する。キュウビの力を削ぐためには剣が作る三角の陣の中に追い込まなくてはならない。そのためにはまず剣を大地に打つ時間が欲しいのだ。

結花「由真!唯!今度こそ決めるわよ!」

由真･唯「「はい!」」

白フードはキュウビや皆から離れて端の方まで移動する。おれだけを誘いだすように……。

白フード「……」

悠「待て!」

白フード「ふんっ!」

おれの呼びとめに止まったかと思うと振り向きざまに弾針剄をぶつけてきた。おれはとっさに風のバリアーでガード。空気の砲弾が目のまえで破裂する。

悠「ぐっ……けど、大したことないな。道玄のおっさんや神姫のが高威力だ。」

白フード「……」

不意に白フードの身体から力が抜けた。すると、両手を鞭のように振るう。パパンッと空が破裂する音、おれの肩と頬に焼けたような熱。

威力は……大したものじゃない、だが、早くて熱い。おれは両手で顔をガードする。しかし、敵からは小さな風の弾丸がマシンガンのように発射され続ける。

悠「ぐっ……これは……なかなか厄介!」

僅かな疑問を抱きつつ、おれはこいつに集中する。とっとと片づけてキュウビの方に戻らないとな。


平和「こっちだよっ!」

信乃「こっちだぜ!」

つばめ「おーい!」

エヴァ「ちょこまかと動き回って、うっとおしいわね!キュウビ、早くあのちびっ子達を潰してしまいなさい!」

キュウビ『コォォーーンッ!』

寅「よし、ひっかかったぞ!」

結花「今よ、ふたりとも!そこに剣を!」

由真「ええーーい!」

吉音「やったっ!?」

その瞬間だった。平和たちを追い回していたキュウビの尾がぐるりと向きを変えた。