ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました【10】
ー大江戸学園:ツリー直通エレベーター前ー
風太郎「うるさい」
パパンッと肉打つ音が数度、王蟲の身体が揺れる。
王蟲「うぜぇ!うぜぇぇ!」
拳の髑髏が発光する。しかし、同時に峨嵋刺の腕が叩きおとされた。
風太郎「お前は既に風神に捉われた。拳ひとつ、蹴りひとつ、出させない。」
王蟲「ふっっざけんなぁぁッ!」
伸ばしかけた左拳があらぬ方向に弾き飛ばされる。蹴りだそうとした右足、踏み止められる。左拳でフェイント、ワンテンポずらして右拳を出そうとしたが左拳も右拳も出鼻を叩きおとされた。
風太郎「無駄だ」
王蟲「ちっ……はぁはぁ……身動き一つ……とれねぇだと。クソがッ!」
峨嵋刺は後ろに飛んだ。距離を空けて龍剄の溜めを作る算段は見え見え、風太郎もそれを追う。一定の間合いを引きはがされないように敵を追い詰め。
雷太郎「……」
雷太郎もその後を追う。風雷コンビネーションを使わなくとも追い詰めている。鬼状態を使わずに……。なにかもやもやしたものを感じる。
王蟲「ぐっ……はぁはぁ……」
風太郎「ようやく……追い詰めた。」
ただ、ただ追いかけっこしていた訳じゃない。風太郎は敵を奥へ壁際へと誘導したのだ。これで、王蟲の逃げ場はない。
王蟲「もういい……疲れた。今日はちっとばかし……忙しかったしな。やれよ」
風太郎「好きだよその潔さ」
無数の打撃が王蟲に叩きこまれる。しかし……敵の目は死んでいない。殴られ続ける最中も風太郎から一切目を逸らさない。
王蟲「……」
風太郎「む……良い子はそろそろお休みの時間だよ?」
横薙ぎにハイキックを王蟲の横っ面にお見舞いする。
直撃……だが、その足先を掴み取っていた。
王蟲「……勘違いすんなよ……?ちまちま動きまわんのがちっとばかしメンドくさくなっただけだ。俺ァもともとスピード派(タイプ)のファイターじゃねーんだよ。」
足を掴んでいる手に力が入る。
風太郎「痛っ……!?」
王蟲「……」
峨嵋刺がユラァァッと動きだす。風太郎の足を掴んだまま、右脚を大きくゆつくりと振りかぶりだす。つま先の髑髏が悲鳴めいた音とともに光りはじめる。
風太郎「ぐっ……撃たせん!」
連打、連打、連打、連打、連打!無数無増の攻撃を峨嵋刺の全身にあてていくが……。
王蟲「…………」
最初は数個、光っていた髑髏がついに全て輝きを燈してしまった。
風太郎「止まっ……止まら、ない!」
極限まで引き付けられたつま先が風太郎の横腹を穿った。蹴りの威力に被せて真空の砲弾がゼロ距離で破裂。ドコンっとズドンっとも言葉では形容できない爆裂音とともに風太郎の身体が吹っ飛んだ。
王蟲「そんな軽ィ打撃じゃ100年撃ってても俺は止められねぇよ」
雷太郎「ふ、風太郎ぉぉぉぉ!!」
駆けだそうとした雷太郎の動きが止まる。
王蟲「好みの身体じゃねぇが食っておいてやるかよ。おまえさそれなりに楽しめたぜ?」
そういって、峨嵋刺は横倒れになっている風太郎の腹を踏みつける。つま先の髑髏から不気味な唸りが聞こえた。
風太郎「ぐぁぁぁ!!」
王蟲「よかったな「骸蟲」ご馳走だぞ。俺のこの「骸蟲」は人間の骨の砕ける音が大好物だ。バキリッと上手に砕いてやる。」
風太郎「ああああぁっ!!」
つま先がどんどん風太郎の身体に沈んでいく。雷太郎は動けなかった。このまま突っこめば最悪、風太郎の腹を破裂されかねない。だが、ジッとしていても確実に肋骨を砕かれてしまう……。
風太郎「うるさい」
パパンッと肉打つ音が数度、王蟲の身体が揺れる。
王蟲「うぜぇ!うぜぇぇ!」
拳の髑髏が発光する。しかし、同時に峨嵋刺の腕が叩きおとされた。
風太郎「お前は既に風神に捉われた。拳ひとつ、蹴りひとつ、出させない。」
王蟲「ふっっざけんなぁぁッ!」
伸ばしかけた左拳があらぬ方向に弾き飛ばされる。蹴りだそうとした右足、踏み止められる。左拳でフェイント、ワンテンポずらして右拳を出そうとしたが左拳も右拳も出鼻を叩きおとされた。
風太郎「無駄だ」
王蟲「ちっ……はぁはぁ……身動き一つ……とれねぇだと。クソがッ!」
峨嵋刺は後ろに飛んだ。距離を空けて龍剄の溜めを作る算段は見え見え、風太郎もそれを追う。一定の間合いを引きはがされないように敵を追い詰め。
雷太郎「……」
雷太郎もその後を追う。風雷コンビネーションを使わなくとも追い詰めている。鬼状態を使わずに……。なにかもやもやしたものを感じる。
王蟲「ぐっ……はぁはぁ……」
風太郎「ようやく……追い詰めた。」
ただ、ただ追いかけっこしていた訳じゃない。風太郎は敵を奥へ壁際へと誘導したのだ。これで、王蟲の逃げ場はない。
王蟲「もういい……疲れた。今日はちっとばかし……忙しかったしな。やれよ」
風太郎「好きだよその潔さ」
無数の打撃が王蟲に叩きこまれる。しかし……敵の目は死んでいない。殴られ続ける最中も風太郎から一切目を逸らさない。
王蟲「……」
風太郎「む……良い子はそろそろお休みの時間だよ?」
横薙ぎにハイキックを王蟲の横っ面にお見舞いする。
直撃……だが、その足先を掴み取っていた。
王蟲「……勘違いすんなよ……?ちまちま動きまわんのがちっとばかしメンドくさくなっただけだ。俺ァもともとスピード派(タイプ)のファイターじゃねーんだよ。」
足を掴んでいる手に力が入る。
風太郎「痛っ……!?」
王蟲「……」
峨嵋刺がユラァァッと動きだす。風太郎の足を掴んだまま、右脚を大きくゆつくりと振りかぶりだす。つま先の髑髏が悲鳴めいた音とともに光りはじめる。
風太郎「ぐっ……撃たせん!」
連打、連打、連打、連打、連打!無数無増の攻撃を峨嵋刺の全身にあてていくが……。
王蟲「…………」
最初は数個、光っていた髑髏がついに全て輝きを燈してしまった。
風太郎「止まっ……止まら、ない!」
極限まで引き付けられたつま先が風太郎の横腹を穿った。蹴りの威力に被せて真空の砲弾がゼロ距離で破裂。ドコンっとズドンっとも言葉では形容できない爆裂音とともに風太郎の身体が吹っ飛んだ。
王蟲「そんな軽ィ打撃じゃ100年撃ってても俺は止められねぇよ」
雷太郎「ふ、風太郎ぉぉぉぉ!!」
駆けだそうとした雷太郎の動きが止まる。
王蟲「好みの身体じゃねぇが食っておいてやるかよ。おまえさそれなりに楽しめたぜ?」
そういって、峨嵋刺は横倒れになっている風太郎の腹を踏みつける。つま先の髑髏から不気味な唸りが聞こえた。
風太郎「ぐぁぁぁ!!」
王蟲「よかったな「骸蟲」ご馳走だぞ。俺のこの「骸蟲」は人間の骨の砕ける音が大好物だ。バキリッと上手に砕いてやる。」
風太郎「ああああぁっ!!」
つま先がどんどん風太郎の身体に沈んでいく。雷太郎は動けなかった。このまま突っこめば最悪、風太郎の腹を破裂されかねない。だが、ジッとしていても確実に肋骨を砕かれてしまう……。