ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました【10】
ー大江戸学園:ツリー直通エレベーター前ー
雷太郎「ふっ!」
風太郎「はっ!」
髑髏柄フード「……」
同タイミングでの呼吸とともに左右から鋭角な蹴りが放たれた。髑髏柄フードはしっかりと腕で受け止めるも、衝撃に押し退かされる。
雷太郎「風!」
風太郎「応!」
雷太郎のひと言で、風太郎はキッと腰を切ってローキックを仕掛けた。上半身ばかりのガードに気を取られていた髑髏柄フードはガードが間に合わず膝のあたりに直撃する。
雷太郎はその間も大振りに殴りかかる。ガードされる前提のテレフォンパンチ、だがいい、それでいい、自分の攻撃がガードされていれば風太郎の攻撃が直撃する。
髑髏柄フード「うっぜぇぇんだよっ!!」
敵はどらかを狙った訳でなく、ただがむしゃらに蹴りを繰り出した。当たる当たらないは二の次、分断させることを狙った蹴りだってが……大きく空を切る。
風太郎「よっ!」
雷太郎「ふっ!」
ふたりは既に一定の距離まで退き、立ち止まった位置で左右にターンする。計算し、ここで相手が来ると確定してたかのように背中合わせで立ち止まる。
風太郎「いい。完璧だ」
雷太郎「ああ。完璧だ」
今までのコンビネーションより遥かに精度の高い一体感。雷太郎、風太郎共に鍛錬の成果を噛みしめていた。
髑髏柄フード「ちっ……消し飛べっ」
雷太郎「むっ!」
風太郎「雷っ!龍剄!」
雷太郎と風太郎は左右大きく離れるように駆けた。ふたりの肩をかすめた見えない何かが破裂する。
髑髏柄フード「逃がすか。」
右拳を雷太郎、左拳を風太郎へと向ける。すると銃でも打ち続けているかのようにボンッ!ボンッ!と破裂音を轟かせた。
雷太郎「んっ……!」
風太郎「むっ……!」
距離を空けさせられ、ただただ見えない爆撃を避け続けるふたり。直撃こそないが数発に一度は身体をかすめていく。
髑髏柄フード「逃げ回るだけか?だったら、とっとと散れ」
伸ばしていた拳を引いて力をためるようなポーズをとる。髑髏柄フードが大技を繰り出そうとした……。
雷太郎「風!」
風太郎「応!」
見えない衝撃が停止した瞬間、風雷コンビは挟みこむように駆けた。
髑髏柄フード「破れかぶれか……消えろ!」
左右に腕を伸ばして龍剄が放たれ……なかった。
雷太郎、風太郎は地面スレスレまで身体を倒し、超低空から髑髏フードの足を蹴り飛ばす。片脚つづに人間ひとり分の低空ドロップキックで撥ねられ、髑髏フードはおかしな形で空に舞った。
雷太郎「つかまれ!」
風太郎「もちろん!」
紙一重の距離で地面を滑って行く僅かな瞬間、互いが互いの手を掴んでブレーキをかけ、ワンバウンドで立ち上がった。
髑髏柄「やろぉ……!」
無茶苦茶な形で吹き飛ばされた髑髏柄フードは何度か地面にバウンドして起きあがった。ご自慢のフードもあちこちがボロボロだ。
雷太郎「はんっ、風、奴の事見てみろよ。」
風太郎「あはっ、手品の種が見えてるね。」
髑髏型のオブジェを無数にくっつけた不気味なグローブと、同じように無数の髑髏オブジェを無数にくっつけた悪趣味なブーツを穿いている。
だが、ふたりはようやく確信した。放たれ続けた見えない衝撃波と見えない刃、龍剄の正体(手品の種)に……。
雷太郎「ふっ!」
風太郎「はっ!」
髑髏柄フード「……」
同タイミングでの呼吸とともに左右から鋭角な蹴りが放たれた。髑髏柄フードはしっかりと腕で受け止めるも、衝撃に押し退かされる。
雷太郎「風!」
風太郎「応!」
雷太郎のひと言で、風太郎はキッと腰を切ってローキックを仕掛けた。上半身ばかりのガードに気を取られていた髑髏柄フードはガードが間に合わず膝のあたりに直撃する。
雷太郎はその間も大振りに殴りかかる。ガードされる前提のテレフォンパンチ、だがいい、それでいい、自分の攻撃がガードされていれば風太郎の攻撃が直撃する。
髑髏柄フード「うっぜぇぇんだよっ!!」
敵はどらかを狙った訳でなく、ただがむしゃらに蹴りを繰り出した。当たる当たらないは二の次、分断させることを狙った蹴りだってが……大きく空を切る。
風太郎「よっ!」
雷太郎「ふっ!」
ふたりは既に一定の距離まで退き、立ち止まった位置で左右にターンする。計算し、ここで相手が来ると確定してたかのように背中合わせで立ち止まる。
風太郎「いい。完璧だ」
雷太郎「ああ。完璧だ」
今までのコンビネーションより遥かに精度の高い一体感。雷太郎、風太郎共に鍛錬の成果を噛みしめていた。
髑髏柄フード「ちっ……消し飛べっ」
雷太郎「むっ!」
風太郎「雷っ!龍剄!」
雷太郎と風太郎は左右大きく離れるように駆けた。ふたりの肩をかすめた見えない何かが破裂する。
髑髏柄フード「逃がすか。」
右拳を雷太郎、左拳を風太郎へと向ける。すると銃でも打ち続けているかのようにボンッ!ボンッ!と破裂音を轟かせた。
雷太郎「んっ……!」
風太郎「むっ……!」
距離を空けさせられ、ただただ見えない爆撃を避け続けるふたり。直撃こそないが数発に一度は身体をかすめていく。
髑髏柄フード「逃げ回るだけか?だったら、とっとと散れ」
伸ばしていた拳を引いて力をためるようなポーズをとる。髑髏柄フードが大技を繰り出そうとした……。
雷太郎「風!」
風太郎「応!」
見えない衝撃が停止した瞬間、風雷コンビは挟みこむように駆けた。
髑髏柄フード「破れかぶれか……消えろ!」
左右に腕を伸ばして龍剄が放たれ……なかった。
雷太郎、風太郎は地面スレスレまで身体を倒し、超低空から髑髏フードの足を蹴り飛ばす。片脚つづに人間ひとり分の低空ドロップキックで撥ねられ、髑髏フードはおかしな形で空に舞った。
雷太郎「つかまれ!」
風太郎「もちろん!」
紙一重の距離で地面を滑って行く僅かな瞬間、互いが互いの手を掴んでブレーキをかけ、ワンバウンドで立ち上がった。
髑髏柄「やろぉ……!」
無茶苦茶な形で吹き飛ばされた髑髏柄フードは何度か地面にバウンドして起きあがった。ご自慢のフードもあちこちがボロボロだ。
雷太郎「はんっ、風、奴の事見てみろよ。」
風太郎「あはっ、手品の種が見えてるね。」
髑髏型のオブジェを無数にくっつけた不気味なグローブと、同じように無数の髑髏オブジェを無数にくっつけた悪趣味なブーツを穿いている。
だが、ふたりはようやく確信した。放たれ続けた見えない衝撃波と見えない刃、龍剄の正体(手品の種)に……。