ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました【10】
ー大江戸学園:大江戸城門前ー
悠「あの木偶……ってことは、あの白フードが天か!」
白フード「……」
輝「おおっと、みんなボーっとしてていいのかい。戦いはもう始まってるんだよ?」
突然の出来事だった。
おれたちから見たら数十歩の間合いを数歩で詰めた大魔神が大きく振りかぶる。
悠「なっ!」
吉音「危ない!」
吉音に引っ張られて地面に転がる。
一瞬の浮遊感。
真横で起きた衝撃に吹き飛ばされながらも、なんとか体勢を立て直して起きあがる。
悠「っ……」
吉音「悠!大丈夫!」
悠「あぁ、なんとか!」
慌てて周囲を見渡す。たった今までおれが立っていた地面は、あまりの衝撃にタイルがめくれ上がっていた。
おいおい。もし吉音が腕を引っ張ってくれなかったら今ごろおれは……。
久秀「グチャグチャ」
悠「こんなタイミングで心を読むのはやめれっ!」
はじめ「……旦那は離れてたほうがいい」
越後屋「みたいやね。……気ぃつけやはじめ」
佐東さんの言葉を受けて越後屋が距離をとる。
その様子を見て、見張りどころか人っ子ひとりいなかった理由がよく分かった。
そりゃこんなんかせ暴れ回るんじゃ、戦闘能力があまり高くない生徒は近くに配置できないよな。木偶は巻き添えをうけて潰れたっていいだろうし。
吉音「また来るよ!」
悠「ちぃっ!」
今度は横なぎ。
大魔神が腕を振ろうとしたとき……
朱金「おうりゃああぁぁぁぁっ!」
朱金の剛剣が無防備だった大魔神のわき腹に打ちこまれる。
悠「朱金…」
朱金「まだまだぁ!」
さすがの巨体も朱金の連撃には堪えきれず、バランスを崩して数歩よろめいた。
久秀「馬鹿力これのひと言に尽きるわね。」
朱金「三人とも今だ!走り抜けろ!」
悠「なっ!」
朱金「ここはオレらがなんとかする!ふたりは先に行け!」
幸か不幸か、大魔神の最初の攻撃でおれと吉音とオマケで久秀は門のそばまで吹き飛ばされていた。
今なら簡単に門を抜けられる。
吉音「そんな!駄目だよ!金ちゃん達を残してなんていけない!」
朱金「何いってやがる。お前にはやることがあんだろ。いいからいきな!」
吉音「でも!」
朱金「心配すんな!この遠山朱金様が、ちっと図体がでかいだけの人形なんかに負けるかよ!ほらいきな!とっとと終わらせて帰って、小鳥遊堂で祝勝会としゃれこもうじゃねぇか」
自信満々に告げる朱金に覚悟を決める。
悠「新!ついでに久秀!行こう!」
吉音「……うん!」
久秀「ついで…?あとで、説教ね」
今度はおれが吉音の手を引いて走り出す。久秀が怖いこといってたのは忘れよう。体勢を立て直した大魔神が腕を伸ばしてくるが……
真留「させません!ガラッ八!」
はじめ「ボクのことも忘れてもらっちゃ困る」
ふたりの攻撃でその動きを止める。
その間におれ達は門をくぐりかけたがまだ奥から数体の木偶が湧きだしてきた……。
悠「クソッ……邪魔を!」
おれが弾針剄を構えたその瞬間、熱波が吹いた。
意思を持った熱波が木偶を飲み込んだかのように突如発火、炎上する。
呆けて立ち止まりかけたおれの背中を誰かが突き飛ばして城門をくぐることに成功した。
悠「あの木偶……ってことは、あの白フードが天か!」
白フード「……」
輝「おおっと、みんなボーっとしてていいのかい。戦いはもう始まってるんだよ?」
突然の出来事だった。
おれたちから見たら数十歩の間合いを数歩で詰めた大魔神が大きく振りかぶる。
悠「なっ!」
吉音「危ない!」
吉音に引っ張られて地面に転がる。
一瞬の浮遊感。
真横で起きた衝撃に吹き飛ばされながらも、なんとか体勢を立て直して起きあがる。
悠「っ……」
吉音「悠!大丈夫!」
悠「あぁ、なんとか!」
慌てて周囲を見渡す。たった今までおれが立っていた地面は、あまりの衝撃にタイルがめくれ上がっていた。
おいおい。もし吉音が腕を引っ張ってくれなかったら今ごろおれは……。
久秀「グチャグチャ」
悠「こんなタイミングで心を読むのはやめれっ!」
はじめ「……旦那は離れてたほうがいい」
越後屋「みたいやね。……気ぃつけやはじめ」
佐東さんの言葉を受けて越後屋が距離をとる。
その様子を見て、見張りどころか人っ子ひとりいなかった理由がよく分かった。
そりゃこんなんかせ暴れ回るんじゃ、戦闘能力があまり高くない生徒は近くに配置できないよな。木偶は巻き添えをうけて潰れたっていいだろうし。
吉音「また来るよ!」
悠「ちぃっ!」
今度は横なぎ。
大魔神が腕を振ろうとしたとき……
朱金「おうりゃああぁぁぁぁっ!」
朱金の剛剣が無防備だった大魔神のわき腹に打ちこまれる。
悠「朱金…」
朱金「まだまだぁ!」
さすがの巨体も朱金の連撃には堪えきれず、バランスを崩して数歩よろめいた。
久秀「馬鹿力これのひと言に尽きるわね。」
朱金「三人とも今だ!走り抜けろ!」
悠「なっ!」
朱金「ここはオレらがなんとかする!ふたりは先に行け!」
幸か不幸か、大魔神の最初の攻撃でおれと吉音とオマケで久秀は門のそばまで吹き飛ばされていた。
今なら簡単に門を抜けられる。
吉音「そんな!駄目だよ!金ちゃん達を残してなんていけない!」
朱金「何いってやがる。お前にはやることがあんだろ。いいからいきな!」
吉音「でも!」
朱金「心配すんな!この遠山朱金様が、ちっと図体がでかいだけの人形なんかに負けるかよ!ほらいきな!とっとと終わらせて帰って、小鳥遊堂で祝勝会としゃれこもうじゃねぇか」
自信満々に告げる朱金に覚悟を決める。
悠「新!ついでに久秀!行こう!」
吉音「……うん!」
久秀「ついで…?あとで、説教ね」
今度はおれが吉音の手を引いて走り出す。久秀が怖いこといってたのは忘れよう。体勢を立て直した大魔神が腕を伸ばしてくるが……
真留「させません!ガラッ八!」
はじめ「ボクのことも忘れてもらっちゃ困る」
ふたりの攻撃でその動きを止める。
その間におれ達は門をくぐりかけたがまだ奥から数体の木偶が湧きだしてきた……。
悠「クソッ……邪魔を!」
おれが弾針剄を構えたその瞬間、熱波が吹いた。
意思を持った熱波が木偶を飲み込んだかのように突如発火、炎上する。
呆けて立ち止まりかけたおれの背中を誰かが突き飛ばして城門をくぐることに成功した。