ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました【10】
ー大江戸城:大御所の間ー
輝『へ?』
鼎「すぐに動かせるのだろう?」
輝『ええ、そりゃいつでも出せますけど、えらく急な出撃要請なもんでいろいろと心の準備が。ま、いいや。で、うちの魔神ちゃんの初陣はどこになりやしょう?』
鼎「大江戸城(ここ)だ」
輝『げ、大江戸城すか!?マジで?初陣からクライマックスじゃん!で、相手は?』
鼎「徳河吉音、遠山朱金、その手下ども。全て踏み潰せ」
輝『来た、来た、来たーーっ!新さんに金さんとか!マジ主役級じゃん!相手にとって不足無し!燃えてきたーーっ!』
鼎「お前のテンションなどどうでもいい。とにかく大至急で回して来い」
輝『あいよ~♪そんじゃまた後で~うっひょ~♪』
鼎「ふん、どいつもこいつも……十兵衛か?」
ケータイを切ると同時に鼎は前方の剣豪生の気配に気づいた。
十兵衛「もはや正体を隠すことすらしなくなったか?」
鼎「ふふん。隠すも何も。大御所の存在を知るものがどれだけいるというの?酉居も瑞野も皆部隊からおろしてやった。残っているのはあなたや輝、それにあの男達くらいのものよ。計画も最後の数手を残すのみ。学園はほぼ私の手中に落ちた。」
鼎は手を伸ばし小犬のコンを抱きあげた。
コン『きゃん!』
鼎「ちょうど、こんな風にね。今更、何を恐れることがあるの?」
十兵衛「……」
鼎「……!」
十兵衛「私もそろそろ最後の手を打たせてもらおうと思っていたところだ」
鼎の鼻先に伸びる剣の切っ先。
鼎「やっぱりこうなるのかぁ。ま、心から信用していたわけではないけれど」
刃越しに十兵衛に苦笑いを向ける鼎。
十兵衛「……」
鼎「もうすこし我慢してくれれば、少しは甘い汁を吸わせてあげたのにな」
十兵衛「どれだけ甘い蜜であろうと、弱者の力作られたようなものは遠慮しよう」
鼎「あら。あなたって正義の味方(そっちのひと)だったの?」
十兵衛「十兵衛は学園を守護する者の名にして一子相伝。私は貴様のような外敵を駆逐迎撃するための徳河の太刀だ」
鼎「あらそう。格好いいわね~。で、最後の手って何よ?」
気のない言葉と気のない拍手。
十兵衛「吉彦から奪った徳河の宝刀、返してもらおう」
鼎「ああ、あれ?」
鼎は床の間に飾られたひと振りの刀を一瞥した。
十兵衛「……」
鼎「あんな抜くこともできない不良品の刀が欲しいの?変なの。でもね。残念だけどあげられない。あたしの詠美ちゃんに持たせてあげなくちゃいけないからね。ねぇ、それはそうと人質がいること覚えてるぅ~?前将軍の徳河吉彦に剣魂の開発チームの連中……。あの子達がどうなってもいいの?」
十兵衛「もちろん救い出す」
鼎「は?」
十兵衛「すでに彼らの居場所は掴んでいる。こちらも遊んでいたわけではないのでな。今ごろは桃子たちが救出に向かっているだろう」
鼎「ふうん、裏でこそこそやってたわけか。で?人質がいなければ勝てると思ってるのかしら?」
十兵衛「何……?」
鼎「いいわよ。かかっておいでなさいよ、十兵衛ちゃん?」
十兵衛「…………」
得体の知れない空気に十兵衛は本能的に警戒を強める。
鼎「剣で正々堂々闘うのならあなたに勝てないでしょうね……でもね、実はもう完成してるのよねぇ……アレが」
十兵衛「まさか……」
鼎「コン?あなたの本当の姿を見せてあげなさい。」
鼎はそういうと眼鏡を外した。
コン『キュキュキュ……ウウウウウウン』
コンはその輪郭を燃えあがらせた。
十兵衛「これが……最凶の剣魂!?」
鼎「あははははははははっっ!!!!」
鼎の笑いがこだました。
輝『へ?』
鼎「すぐに動かせるのだろう?」
輝『ええ、そりゃいつでも出せますけど、えらく急な出撃要請なもんでいろいろと心の準備が。ま、いいや。で、うちの魔神ちゃんの初陣はどこになりやしょう?』
鼎「大江戸城(ここ)だ」
輝『げ、大江戸城すか!?マジで?初陣からクライマックスじゃん!で、相手は?』
鼎「徳河吉音、遠山朱金、その手下ども。全て踏み潰せ」
輝『来た、来た、来たーーっ!新さんに金さんとか!マジ主役級じゃん!相手にとって不足無し!燃えてきたーーっ!』
鼎「お前のテンションなどどうでもいい。とにかく大至急で回して来い」
輝『あいよ~♪そんじゃまた後で~うっひょ~♪』
鼎「ふん、どいつもこいつも……十兵衛か?」
ケータイを切ると同時に鼎は前方の剣豪生の気配に気づいた。
十兵衛「もはや正体を隠すことすらしなくなったか?」
鼎「ふふん。隠すも何も。大御所の存在を知るものがどれだけいるというの?酉居も瑞野も皆部隊からおろしてやった。残っているのはあなたや輝、それにあの男達くらいのものよ。計画も最後の数手を残すのみ。学園はほぼ私の手中に落ちた。」
鼎は手を伸ばし小犬のコンを抱きあげた。
コン『きゃん!』
鼎「ちょうど、こんな風にね。今更、何を恐れることがあるの?」
十兵衛「……」
鼎「……!」
十兵衛「私もそろそろ最後の手を打たせてもらおうと思っていたところだ」
鼎の鼻先に伸びる剣の切っ先。
鼎「やっぱりこうなるのかぁ。ま、心から信用していたわけではないけれど」
刃越しに十兵衛に苦笑いを向ける鼎。
十兵衛「……」
鼎「もうすこし我慢してくれれば、少しは甘い汁を吸わせてあげたのにな」
十兵衛「どれだけ甘い蜜であろうと、弱者の力作られたようなものは遠慮しよう」
鼎「あら。あなたって正義の味方(そっちのひと)だったの?」
十兵衛「十兵衛は学園を守護する者の名にして一子相伝。私は貴様のような外敵を駆逐迎撃するための徳河の太刀だ」
鼎「あらそう。格好いいわね~。で、最後の手って何よ?」
気のない言葉と気のない拍手。
十兵衛「吉彦から奪った徳河の宝刀、返してもらおう」
鼎「ああ、あれ?」
鼎は床の間に飾られたひと振りの刀を一瞥した。
十兵衛「……」
鼎「あんな抜くこともできない不良品の刀が欲しいの?変なの。でもね。残念だけどあげられない。あたしの詠美ちゃんに持たせてあげなくちゃいけないからね。ねぇ、それはそうと人質がいること覚えてるぅ~?前将軍の徳河吉彦に剣魂の開発チームの連中……。あの子達がどうなってもいいの?」
十兵衛「もちろん救い出す」
鼎「は?」
十兵衛「すでに彼らの居場所は掴んでいる。こちらも遊んでいたわけではないのでな。今ごろは桃子たちが救出に向かっているだろう」
鼎「ふうん、裏でこそこそやってたわけか。で?人質がいなければ勝てると思ってるのかしら?」
十兵衛「何……?」
鼎「いいわよ。かかっておいでなさいよ、十兵衛ちゃん?」
十兵衛「…………」
得体の知れない空気に十兵衛は本能的に警戒を強める。
鼎「剣で正々堂々闘うのならあなたに勝てないでしょうね……でもね、実はもう完成してるのよねぇ……アレが」
十兵衛「まさか……」
鼎「コン?あなたの本当の姿を見せてあげなさい。」
鼎はそういうと眼鏡を外した。
コン『キュキュキュ……ウウウウウウン』
コンはその輪郭を燃えあがらせた。
十兵衛「これが……最凶の剣魂!?」
鼎「あははははははははっっ!!!!」
鼎の笑いがこだました。