ｰ新宿:茶屋小鳥遊堂ｰ

魁人「そんな全力で妖しまれるとは……」

悠「だってなぁ」

久秀「悠ほど妖しくはないけど、いきなり現れて信用しろ手を組めなんていって鵜呑みにはできないでしょ普通?」

悠「あれ、今おれを比較に出した?ねぇ?」

寅「お前は存在が妖しい」

悠「失礼な!」

吉音「あはは……」

左近「徳田さんですら空笑いですよ?」

悠「ギーー!」

魁人「そういわれてしまうと少々困ってしまうのですが……。何度も言っていますが天という男は知恵が働きます。さらに何を考えているかも分からない。私としては彼がどんな手に打ってこようと対抗できる策を用意しておきたいのです。本当は……影ながら小鳥遊さんを守りきったうえで天を捕縛、っというのが理想的なのですが…。」

久秀「自信が無いの?師匠らに言われて大見え切ってやってきたくせに」

悠「久秀」

久秀「こういうのはハッキリ言った方が良いのよ」

魁人「……」

久秀「それにさっきから手を組むだの敵が分からないだの言っていて、策はあるという。こっちが話しあいに応じてあげているのよ?いい加減に腹の探り合いはやめて話したらどうなの?」

左近「……(いやー、ハラハラしますね。)」

寅「……(あの女の怖いところはああいうところだからな)」

魁人「これは……手ごわい方だ。」

久秀「誰だと思っているの。松永久秀よ?」

悠「いや、それは意味が分かんない」

久秀「焔華」

ボッ!
悠「あぢ?!ゴラァ!室内で爆破は禁止!」

魁人「では、お話しします」

悠「アンタはアンタでマイペースだな!」

魁人「聞いた話によれば小鳥遊殿は明日大きな戦いに参じるとのこと。」

悠「おれはただの付添だ。メインはこっち」

吉音「……うん。」

魁人「なんにせよ、狙うには絶好のチャンスというわけです。逆に言えば何かをしかけるなら今日と明日しかないと私は考えています。ならばこそ……」

悠「何かあったとき連絡が取れるように……」

久秀「悠を囮にして掛った奴らに逆襲撃をかける」

魁人「そういうことです」

悠「どっちがそういうこと?!違うよね?何か会ったときにおれからもそっちからも連絡が取れるようにって意味だよね?」

寅「だが、こんなでかい釣り針、そう簡単に掛るか?」

魁人「天本人が釣れるかどうかはともかく、それに類するものは釣れると私は思います」

左近「ふうむ。確かに小鳥遊さんだったら最悪食われても平気でしょうし」

悠「おれが囮やる前提で話し進めるのやめてもらえませんか?」

久秀「じゃあ、聞くけどアナタ今夜から大人しくできるの?」

悠「それは……まぁ、できま……すん」

寅「どっちだよ」

魁人「逆に動くのならそれで張ってたら掛る場合もあるでしょう?」

久秀「悪くない手だわね。」

悠「おれは気分が悪い。」

寅「そりゃ愉快だ」

悠「ギーーー!」