ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました【10】
ー大江戸学園:城前広場ー
酉居「き、貴様ぁっ!」
すぐ間近に真っ赤な酉居の顔がある。
悠「久しぶりだなぁ、酉居!とりあえずまずは一発!」
体勢が悪く力がイマイチ入らないが酉居の横っ面に左拳を叩きこむ。
酉居「がっ?!ええい、ぶざけやがってどけいっ!」
悠「おっとっ!」
酉居が下から剣を突き上げ、おれは慌てて身体を起こして飛びずさった。
吉音「悠っ、大丈夫!?」
剣徒を蹴散らせながら敵陣を一度大きく両断した後、銀シャリ号を反転させる吉音。
悠「一発くれてやったよ!」
剣徒D「ぐぁっ!?」
とりあえず近くに居た剣徒のひとりも叩き斬り伏せる。
酉居「ふん、無事で帰れると思っているのか、愚か者め」
悠「もちろん。朱金や越後屋も返してもらうつもりだ」
酉居「笑止。この包囲をどうやって抜けるつもりだ?」
悠「ここの使いようじゃないか?」
おれはこめかみを指先でトントンと叩いて見せた。
酉居「は?頭を巡らせた作戦がこのくだらない奇襲か?つくづく野蛮な戦いをする男だな、小鳥遊?」
悠「その野蛮な策で陣を両断されて、野蛮な男に一発殴られた上、人質を餌に見え透いた罠を張って待ち構えるのは陰険なやり方じゃないってのか、葉蔵くぅん?」
酉居「相変わらず口だけは減らんな」
悠「おれの口が減らない、っか、こないだ負けた奴の言葉なんて遠吠えでしかないだろ」
酉居「負けただと?あんなものはただのまぐれだったということをすぐに教えてやる」
酉居はゆっくり大きく上段に構え、おれは正眼でそれに構える。
ふぅ、と一度大きく息を吐き、動きが重くならないように力を抜く。
酉居の剣は強い。上背もあり上段から振り下ろされる一撃は強烈だ。
だが、剣が強いだけ。それだけだ。奴から恐怖は感じない。
悠「…………」
酉居「おい、なんだ、その無様な腰の引けようは!威勢のいいことをいったわりには逃げているだけか、小鳥遊?」
押しても引いても互いに剣の届かない一定の間合いを崩さないおれに、イラっいた酉居が声を荒げる。
悠「逃げ腰の相手に打ちこんでもこれない弱虫の負け犬が何か言ってるなぁ。すまんが人間の言葉で話してくれ。」
酉居「下らぬ挑発だ。その下品な剣、打ち砕いてやろう。」
酉居が一気に飛び込んでくる。こいつはホント楽に釣れるわ。間合いが崩れる。
悠「すぅぅぅぅ……」
酉居「はあぁっ!」
悠「ふっ!」
上段から振り下ろされた剣を受け止め斜めにさばき落とす。さすがに重い。直受けはだめだな。
酉居「どうした?口ほどにもない!」
悠「とかいいながら、お前は一回負けてて、今も受け流されたんだぞ?」
酉居「たった一度のまぐれに勘違いしおって。完膚無きまでに叩きのめして帳消しにしてやる!」
悠「気にしてんじゃん。」
酉居の斬撃が止んだ隙を見て再びおれは距離を取った。
酉居「また逃げるか、口ばかり達者な臆病者め!」
悠「はん?これは喧嘩(じっせん)だぞ。喧嘩に道理なんかいらねぇ。使える手を何でも使って何が悪い。」
酉居「のらりくらりと逃げ回るのが戦いとは片腹痛いわ。しかしここまでだ……」
悠「あ?」
酉居「出でよ、我が剣の僕よ!」
酉居が剣を振るうと空気が揺らいだ。そして巨大な蛇が輪郭を形作り始める。
酉居「き、貴様ぁっ!」
すぐ間近に真っ赤な酉居の顔がある。
悠「久しぶりだなぁ、酉居!とりあえずまずは一発!」
体勢が悪く力がイマイチ入らないが酉居の横っ面に左拳を叩きこむ。
酉居「がっ?!ええい、ぶざけやがってどけいっ!」
悠「おっとっ!」
酉居が下から剣を突き上げ、おれは慌てて身体を起こして飛びずさった。
吉音「悠っ、大丈夫!?」
剣徒を蹴散らせながら敵陣を一度大きく両断した後、銀シャリ号を反転させる吉音。
悠「一発くれてやったよ!」
剣徒D「ぐぁっ!?」
とりあえず近くに居た剣徒のひとりも叩き斬り伏せる。
酉居「ふん、無事で帰れると思っているのか、愚か者め」
悠「もちろん。朱金や越後屋も返してもらうつもりだ」
酉居「笑止。この包囲をどうやって抜けるつもりだ?」
悠「ここの使いようじゃないか?」
おれはこめかみを指先でトントンと叩いて見せた。
酉居「は?頭を巡らせた作戦がこのくだらない奇襲か?つくづく野蛮な戦いをする男だな、小鳥遊?」
悠「その野蛮な策で陣を両断されて、野蛮な男に一発殴られた上、人質を餌に見え透いた罠を張って待ち構えるのは陰険なやり方じゃないってのか、葉蔵くぅん?」
酉居「相変わらず口だけは減らんな」
悠「おれの口が減らない、っか、こないだ負けた奴の言葉なんて遠吠えでしかないだろ」
酉居「負けただと?あんなものはただのまぐれだったということをすぐに教えてやる」
酉居はゆっくり大きく上段に構え、おれは正眼でそれに構える。
ふぅ、と一度大きく息を吐き、動きが重くならないように力を抜く。
酉居の剣は強い。上背もあり上段から振り下ろされる一撃は強烈だ。
だが、剣が強いだけ。それだけだ。奴から恐怖は感じない。
悠「…………」
酉居「おい、なんだ、その無様な腰の引けようは!威勢のいいことをいったわりには逃げているだけか、小鳥遊?」
押しても引いても互いに剣の届かない一定の間合いを崩さないおれに、イラっいた酉居が声を荒げる。
悠「逃げ腰の相手に打ちこんでもこれない弱虫の負け犬が何か言ってるなぁ。すまんが人間の言葉で話してくれ。」
酉居「下らぬ挑発だ。その下品な剣、打ち砕いてやろう。」
酉居が一気に飛び込んでくる。こいつはホント楽に釣れるわ。間合いが崩れる。
悠「すぅぅぅぅ……」
酉居「はあぁっ!」
悠「ふっ!」
上段から振り下ろされた剣を受け止め斜めにさばき落とす。さすがに重い。直受けはだめだな。
酉居「どうした?口ほどにもない!」
悠「とかいいながら、お前は一回負けてて、今も受け流されたんだぞ?」
酉居「たった一度のまぐれに勘違いしおって。完膚無きまでに叩きのめして帳消しにしてやる!」
悠「気にしてんじゃん。」
酉居の斬撃が止んだ隙を見て再びおれは距離を取った。
酉居「また逃げるか、口ばかり達者な臆病者め!」
悠「はん?これは喧嘩(じっせん)だぞ。喧嘩に道理なんかいらねぇ。使える手を何でも使って何が悪い。」
酉居「のらりくらりと逃げ回るのが戦いとは片腹痛いわ。しかしここまでだ……」
悠「あ?」
酉居「出でよ、我が剣の僕よ!」
酉居が剣を振るうと空気が揺らいだ。そして巨大な蛇が輪郭を形作り始める。