ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました

ー新宿:茶屋小鳥遊堂ー


悠「ふぁーぁ…(学校行く気ないから、紅のとこから勢いでここまで来て、甘味の仕込みしたけど……まだ眠い。もう我慢できそうにないし、いいや、縁台で寝ちゃお。夕方まで寝ても新が起こしてくれるだろ……おやすみなさい)」





「もしもし?小鳥遊君?」

悠「うぅん…あと48時間だけ…」

「二日間も寝る気ですか…ほら、起きてください」

悠「ん~はぁ…おあよ。新、今日から店開けるぜ~」

「そうなんですか。けど私は徳田さんじゃありませんよ。」

悠「あー?」

想「ふふ、まだ寝ぼけてますか?」

悠「……逢岡さん?!」

想「こんにちは、どうやらいいタイミングだったようですね。店主さん。」

悠「ちょ、ま、待ってくださいね。いま、今すぐに準備します!」

想「あの~小鳥遊くん?」

悠「は、はい?」

想「まだ注文はしてませんけど」

悠「えっ…あー!すません。これが品書きです」

想「ふふ、意外とそそっかしいんですね」

悠「いやー…あれですよ。美人の前では舞い上がっちゃって」

想「も、もう、からかわないでください。」

悠「あはは。それで何にしましょうか」

想「そうですね…じゃあ、この小春セットをもらえますか」

悠「小春セットのお団子は餡・きな粉・みたらし・三色の種類が選べますが?」

想「それは一種類のみ?」

悠「いえ、バラバラでも大丈夫ですよ」

想「それじゃあ、きな粉と餡とみたらしをひとつずつ」

悠「はい、少々お待ちください。」

想「ところで小鳥遊くんはどうして縁台で寝てたんです?」

悠「えーと、前世が猫だったんです」

想「は、はぁ…」

悠「はい、お待たせしました。」

想「いただきます。ズズッ……美味しい。」

悠「おー、良かった。」

想「香りも良いですね。小鳥遊くんはお茶を誰かに習ったのですか?」

悠「習ったような、習って無いような感じですね。オフクロとバアちゃんが淹れてたのを見てたり飲んだりして身体が勝手に覚えたみたいな。」

想「素敵なお母様とおばあ様ですね」

悠「もう亡くなっちゃいましたけどね。」

想「あ、ごめんなさい」

悠「あー、気にしなくていいっすよ。っか、俺は謝られるのも謝るのも嫌いなんです。それより、団子おかわりどうですか。」

新「は~い!おかわりしまーす」

想「……」

悠「……」

新「はにゃ?」

悠「新どっから沸いた」

新「いつもどうりにお店に来たら、悠と想ちゃんが美味しそうなお団子を食べてたから湧きました!」

悠「あーそぅ…」

新「悠~私にも~」

悠「わかった。わかった。いくつだ?」

新「えとねーとりあえず、お団子10人前!」

悠「……とり…あえず10人前!?」

想「あはは…」
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