ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました

ー大江戸学園:武家屋敷ー

二人が大暴れした屋敷は庭に座敷に死屍累々の有り様となっている。

悠「それでこの惨状どうするんだ?」

真留「もうすぐ北町奉行所がやってきますから、彼らの身柄の確保をお願いします」

後からやってきた真留はあきれながらもてきぱきと手続きを済ましている。
もちろんおれと新がこっちでも首を突っ込んだことについては、小言をもらってしまった。

金「そんじゃ、おれはこの辺りで失礼させてもらうわ」

真留「わかりました。お疲れ様でした。」

ひと暴れしてすっきりしたのか、金さんは軽く会釈するとその場から立ち去る。

悠「あのさ、金さんってなにものなんだ?真留が岡っ引だってのは聞いたけど」

真留「遊び人ですよ」

悠「ほんとに?」

真留「見たままの人ですよ。ただ……近いうちにあの人のもうひとつの面が見られると思いますよ」

悠「もうひとつの面?」

真留「はい。楽しみにしておいてください。」

そこに呼び子の笛の音が響いた。

悠「奉行所が来たみたいだな。」

真留「悠さんと新さんもこの場を離れた方がいいですよ。」

悠「やっぱりややこしいよな」

真留「では今日はお疲れ様でした」

悠「こちらこそ。じゃおやすみ」

新「おやすみ~」

真留「おやすみなさい」

新「あたしも遊び人になりたいな~」

悠「え……今は違うのか?」





翌日、おれと新は北町奉行所から出頭を命じられた。

ー北町奉行所ー


真留「どうもご足労おかけしました」

新「こんちは、まるる」

真留「こんにちは、徳田さん、小鳥遊さん。」

悠「今日呼ばれたのは昨日のアレか?」

真留「はい。お白州に出ていただくためにお二人をお呼びしました」

悠「お白州?」

真留「んっと取り調べと裁判を兼ねたようなものでしょうか」

悠「裁判?おれら容疑者扱いか?」

真留「いえ、昨夜あの場所にいた証人としての証言を頂くことになると思います」

悠「なっほど。そういうことなら協力はしたいと思うけど」

真留「お奉行がどのようなお白州の進め方をなさるかはその場になってみないとわかりませんが。」

悠「お白州ってのは奉行が直接するものなのか?」

真留「そうですね。さすがに全てのご沙汰をお奉行ひとりが下せるわけではありませんが…この事件のお白州はお奉行がお裁きになることになっています」

悠「ふぅん。ま、わかったよ。」

真留「ではご案内します。どうぞこちらへ」

悠「おい、新。いくぞ」

新「は~い。」

銀シャリ号「ヒヒン!」

悠「銀シャリ号から降りなさい!!」

新「おっと、じゃ、銀シャリ号あとでね。」
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