ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました【9】
ー大江戸学園:小道ー
やつらが地面を踏みしめるたびに発雷を繰り返す。それでも互いに地電エネルギーの直撃はない。
なぜだ?
死の面は今までと違い機敏に動き拳に蹴りを繰り出し、そのたびに雷撃を発する。それに対して生の面はしっかりと打撃を捌きつつ、反撃を織り交ぜていく。
だが……打撃の打ち合い捌き合いはともかく分からないのは赤龍の打ち合いのほうだ。地電エネルギーを撃ちつけているのに、どうして双方感電しないのか……。
もはや、蚊帳の外になっているのでおれは警戒しつつ奴らの動きに注目した。
ひとつめのポイント、それは赤龍の発動法。おれの場合は龍剄をチャージして足から地面に踏みこみ地電エネルギーに変換して発雷する。しかし、やつらは大きく踏み込むことは少ない。
「…………」
『……』
発雷のタイミングで奴らの足の動きに注目する。よくよく見れば僅かだが踵が浮いていいるし、大きく動くときは地面を擦るような歩法。なるほど……踵を地面に軽くぶつけることでスイッチを踏むようにして濃厚ではなくとも圧縮したエネルギーをぶつけていたわけか。
地面を擦るような歩法に関しては地電に送ったエネルギーを発雷させずに足に移動させて蹴ることによって地電エネルギーを付加した打撃や蹴りを繰り出しているわけか……。
それにしても……これが初めて見る「異能の力」を持った者同士の本気の闘い。
以前、道玄のおっさんと雲水のおっさんがいっていた。
『龍剄の技はあくまでもオマケだ。心身を鍛え、そこに加えられるオマケ。肉なくして心無く、心無くして肉は無い。儂に言わせれば氣を使わずにナチュラルに強力な雲水の攻撃のほうが怖い』
『がははっ、オレは細かいことや剄のことはよく分からねぇが……唯一言えるのはどんな威力がたくて恐ろしい攻撃でも氣系の技はタメが長くて予測しやすし……スキもでかいことだな。』
だが……この中のどこにタメがある?どこにスキがある!?
「…………ククッ」
『……けひっ』
こんなことは初めてだ。雲水のおっさんは素手で異能の道玄のおっさんを相手に怖いと言わした……おれは勝てるだろうか?人間(おれ)が少しぐらい修行したところで……異能の者(やつら)に勝てるんだろうか。
今まで必死に積み上げてきた何かが……目のまえで音を立てて崩れていった。十数年もの間磨いてきた拳と健。その時間と努力の意味は?先人たちの叡智と技術の存在意義は?
「ははっ……まったく……冗談じゃないよな。勝手に現れてちょっかい出されたとおもたらすぐに無視。ふざけんな……だよなっ!」
おれは地面に落ちていた刀を拾ってブン投げた。ぶつかりあってたふたりの間を抜け壁に突き刺さると同時に後ろに跳んでこっちを見る。
「お前らよぉ……なんかしらねぇけど深夜にご近所迷惑なんだよ。あと、特におれに迷惑だ!!こっから消えて浜辺ででもやってろっ!ボケっ!」
「…………」
『……』
一瞬の静寂。すると突然、ピリリリッと電子音が鳴った。同時に死の面は大きく跳躍して壁の上に飛び移っていた。猫目並の身体能力だ。ひと息つく間に夜の闇へと飲まれていった。
そして残ったのはおれと生の面。
「おい、日本語通じるのか?誰だお前」
「…………」
バッとおれの側を走り抜けようとしたので足を引っ掛けてやった……っが、ジャンプしてそれを避ける。
「はい、捕まえた」
「!?」
奴の服の裾を掴んで引っ張りこむ。さっきまで殴り合って疲労してるやつと、傍観していて体力があまってるおれとじゃ反射力に差が生まれて当然と言えば当然か。
やつらが地面を踏みしめるたびに発雷を繰り返す。それでも互いに地電エネルギーの直撃はない。
なぜだ?
死の面は今までと違い機敏に動き拳に蹴りを繰り出し、そのたびに雷撃を発する。それに対して生の面はしっかりと打撃を捌きつつ、反撃を織り交ぜていく。
だが……打撃の打ち合い捌き合いはともかく分からないのは赤龍の打ち合いのほうだ。地電エネルギーを撃ちつけているのに、どうして双方感電しないのか……。
もはや、蚊帳の外になっているのでおれは警戒しつつ奴らの動きに注目した。
ひとつめのポイント、それは赤龍の発動法。おれの場合は龍剄をチャージして足から地面に踏みこみ地電エネルギーに変換して発雷する。しかし、やつらは大きく踏み込むことは少ない。
「…………」
『……』
発雷のタイミングで奴らの足の動きに注目する。よくよく見れば僅かだが踵が浮いていいるし、大きく動くときは地面を擦るような歩法。なるほど……踵を地面に軽くぶつけることでスイッチを踏むようにして濃厚ではなくとも圧縮したエネルギーをぶつけていたわけか。
地面を擦るような歩法に関しては地電に送ったエネルギーを発雷させずに足に移動させて蹴ることによって地電エネルギーを付加した打撃や蹴りを繰り出しているわけか……。
それにしても……これが初めて見る「異能の力」を持った者同士の本気の闘い。
以前、道玄のおっさんと雲水のおっさんがいっていた。
『龍剄の技はあくまでもオマケだ。心身を鍛え、そこに加えられるオマケ。肉なくして心無く、心無くして肉は無い。儂に言わせれば氣を使わずにナチュラルに強力な雲水の攻撃のほうが怖い』
『がははっ、オレは細かいことや剄のことはよく分からねぇが……唯一言えるのはどんな威力がたくて恐ろしい攻撃でも氣系の技はタメが長くて予測しやすし……スキもでかいことだな。』
だが……この中のどこにタメがある?どこにスキがある!?
「…………ククッ」
『……けひっ』
こんなことは初めてだ。雲水のおっさんは素手で異能の道玄のおっさんを相手に怖いと言わした……おれは勝てるだろうか?人間(おれ)が少しぐらい修行したところで……異能の者(やつら)に勝てるんだろうか。
今まで必死に積み上げてきた何かが……目のまえで音を立てて崩れていった。十数年もの間磨いてきた拳と健。その時間と努力の意味は?先人たちの叡智と技術の存在意義は?
「ははっ……まったく……冗談じゃないよな。勝手に現れてちょっかい出されたとおもたらすぐに無視。ふざけんな……だよなっ!」
おれは地面に落ちていた刀を拾ってブン投げた。ぶつかりあってたふたりの間を抜け壁に突き刺さると同時に後ろに跳んでこっちを見る。
「お前らよぉ……なんかしらねぇけど深夜にご近所迷惑なんだよ。あと、特におれに迷惑だ!!こっから消えて浜辺ででもやってろっ!ボケっ!」
「…………」
『……』
一瞬の静寂。すると突然、ピリリリッと電子音が鳴った。同時に死の面は大きく跳躍して壁の上に飛び移っていた。猫目並の身体能力だ。ひと息つく間に夜の闇へと飲まれていった。
そして残ったのはおれと生の面。
「おい、日本語通じるのか?誰だお前」
「…………」
バッとおれの側を走り抜けようとしたので足を引っ掛けてやった……っが、ジャンプしてそれを避ける。
「はい、捕まえた」
「!?」
奴の服の裾を掴んで引っ張りこむ。さっきまで殴り合って疲労してるやつと、傍観していて体力があまってるおれとじゃ反射力に差が生まれて当然と言えば当然か。