ｰ新宿:茶屋小鳥遊堂ｰ

悠「ふぅ……今日も一日頑張りましたっと。吉音」

吉音「ん?」

悠「先上がっていいぞ。あとは店閉めるだけだから」

吉音「うん、わかった。じゃあ、またね」

悠「おう、お疲れ」

久秀「売り上げが酷いものね。」

悠「ホントになぁ……って、お前いつのまに」

久秀「クスクス」

悠「まるで妖怪だな」

久秀「久秀が妖怪だったら悠はなんなのかしら?」

悠「紳士かな」

久秀「……えいっ☆」

ボンッ!
悠「あぢ?!」

久秀「あらあら、鬼火かしら」

悠「ただの爆破だろ!いや、ただの爆破って言うのもおかしいけど!」

久秀「それより、さっさと片づけて久秀のお茶を準備して」

悠「手伝うか自分でいれるかしろよ…」

久秀「んー?なぁにー?」
シュシュ

悠「分かったから扇いで火薬を散らすな」

久秀「早くしてねー」

悠「……」


～～


久秀「それにしてもおかしな話しよね。」

悠「何が?」

久秀「徳河吉彦と水都光姫の件よ」

悠「あぁ……それか」

久秀「いくつか調べてみたのだけど……」

悠「だけど?」

久秀「不自然なのよ証拠がそろいすぎてて。まるで、このために準備されていたようにね」

悠「なんだそりゃ……」

久秀「なんなのかしらねぇ。」

悠「っか、どうやってそんなこと調べたんだ?」

久秀「まっ、色々とね」

悠「大した女だなホント……けど、いい加減きついんじゃないのか?」

久秀「なに?」

悠「配給制になったり増税したりで、いくらお前でも資金にも物資にも限界があるだろ」

久秀「……」

悠「寅たちにも契約料を払わないとなったらなおさらだし」

久秀「心配してくれてるのねぇ」

悠「そりゃまあな」

久秀「ふんっ、こざかしい」

悠「……あー?」

久秀「この松永久秀、他人に情をかけられるほど落ちぶれていないわ!」

悠「えぇ……いや、えぇ……」

久秀「っと、いいたいところだけど」

悠「いったけどな」

久秀「厳しい状況は厳しい状況だわ。久秀の工場は封鎖されちゃってるし」

悠「それは初耳だぞ」

久秀「娯楽品、特に花火なんてもの、今は買おうとしないでしょ?だからどっちにしろ作業自体は停止していたんだけどね。久秀の身柄を確保できると思ってたんじゃないかしら」

悠「……そういえばお前はなんで狙われてるんだ?一応おれだって長期拘束は無かったのに」

久秀「久秀の剣魂を危惧してじゃないかしら」

悠「ブラキディオスをか?」

久秀「ダンジョーよ。わざといってるでしょ……。ダンジョーは違法ギリギリのギリまで弄ってある特殊剣魂。由比雪那の違法剣魂程ではないにしろ強力かつ凶悪だからね。もし、あの違法改造が出来れば久秀は一週間で大江戸学園の半分を火の海に出来る自信があるわ」

悠「恐ろしいこと言うなよ……お前なら出来そうだから怖い」

久秀「だから、それをさせまいと早いうちに剣魂を押さえたいんでしょう。多分……それかもしかしたら」

悠「もしかしたら?」

久秀「……久秀を執行部に追わせて目くらましにしているか、ね。」

悠「誰が何のためにだ?」

久秀「さぁ、そこまでは分からないわ。久秀の推測だしね。」